ランドエスケープ 柴田敏雄展
東京都写真美術館
2008-12-14
ランドエスケープ 柴田敏雄展
中山岩太を見に行って、ついでにこっちも見てきました。ランドエスケープを主に撮影している作家さんのようです。海外ではかなり知られているようですが、日本では今ひとつ知られていないそうです。柴田さんも、やはり木村伊兵衛賞を受賞してます。写真家にはなるためには、木村伊兵衛賞は必須なんでしょうかね、やはり。
ランドエスケープを撮影しています。その全てが人工物を選んでいます。そして空がないんですよね。この辺りが柴田さんの特徴のように思えます。全体の中では、それほど不思議ではないものも、そこだけに注意してみると、なんだか不思議な形だったり、不自然だったりするものってありますよね。彼はそういったところを切り抜いて撮影しています。
山の斜面をコンクリートで固め、そこを不規則な形で登っていく階段。あらためて見なければ特に、気に留めないような場所を、写真で見ると、本当に不自然さを感じるんですよね。作品によっては一体何の一部なのか分からないものさえある。
平たく言うと、自然の中に作られた人口物のちょっと変なとこを集めてみましたって感じですかね。
自分が引っかかったのは夜の高速道路やガススタンドを写したシリーズですね。これもやはり、人工物なんですけど、今度は光までも人口物なんですよね。それで、何が面白いかって云うと、それが日本に見えないんですよ。無国籍、どこの国か分からない。完全に国籍を抜いて写してるんですよね。これ面白くないですか?構図や光の落とし方で、微妙に国籍性を消しているんです。でもしっかり物は撮れているし、見えている。実に不思議でした。
日本らしさとか、日本の風景と言うのはどういうところから感じるものなんでしょうね。なんてことを考えてしまいました。突き詰めると、人間のアイデンティティとは見たいな。海外でかなり活躍していたこともあったようなので、その辺りの意図もあったと思うのですが、どうなんでしょうかね。
シンプルな写真で難しいかな、自分はもっとごちゃっとした作品のほうが好きかも。でも夜の写真は良かった!
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