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2008年11月

Eikoh Hosoe 細江英公人間写真展 「抱擁」と「薔薇刑」

GALLERY WHITE ROOM TOKYO

2008-11-29

Eikoh Hosoe 細江英公人間写真展
「抱擁」と「薔薇刑」

幻想的な写真でした。細江英公と言うと言うと、やっぱり三島由紀夫をモデルにして撮った写真が有名です。今回はその作品も何点か展示されていました。

どの作品も当時のオリジナルではないそうです。『薔薇刑』は1963年に発表された作で、『抱擁』は1971年に発表されたものです。

『抱擁』に関してはアーカイバルピグメントプリントと言う形でプリントされたものらしいです。ピグメントプリントとは、デジタルデータ化された作品を画像処理してプリントしたものだったと思います。つまり、過去のアナログの写真を現代の技術と融合させたってことですかね。

しかし、出来上がった作品はオリジナルとは違った、新しいイメージを生み出していました。スフマート技法で書かれたモノクロ絵画みたいなんです。質感とかも、写真展ではあまり見ない感じで、凄いモダンな感じになっていました。最近発表した新作と言ってもいいくらいの作品になっていました。

これ面白い試みだと思います。過去の写真をデジタルで加工してプリントしなおすって言うの。絶対にありだと思ってしまいました。オリジナルの写真がかなりインパクトがありから上手く行ったと言うのは間違いないですけどね。かなりいいと思います。

三島をモデルにした作品は英公を代表する作品として、見るべき価値はあると思いますね。また、当時の三島を見れたのもよかった。

『抱擁』は、凄いスタイリッシュでかっこよかったです。興味があるかた是非見に行ってください。会期も延長されたようです。

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石内都 作品展「 ひろしま is」

ZEIT-POTO SALON

2008-11-29

石内都 作品展「 ひろしま is」

ZEIT-POTOに言って来ました。写真のギャラリーです。前にオノデラユキも個展をここで見ました。石内さんは、今目黒で展覧会をやっていて、それはすでに行ってきたのですが、たまたま東京駅に行く用事があったので、こちらにもよってみました。

新作の『ヒロシマ』です。目黒でも展示されていました。ここでは10点前後でてました。目黒で見なかったものですね。基本的には目黒と同じです。その当時に焼け残った服や靴や小物の写真です。目黒もよかったんですが、ここで、『ヒロシマ』だけを集中してみるのもいい感じでした。目黒で見たときは作品がもっと遠い位置にある感じがしたのですが、ここで見るともう少し日常に感じることができました。ある意味肩の力を抜いて作品の持つイメージと対峙できました。

ヒロシマのことって次第に忘れ去れて行くわけです。でも忘れちゃいけない。だから、後世の人に伝えていく必要があるわけです。でも、その方法はいろんな形でいいわけですよね。

これが石内さんなりの後世へのメッセージのように思えました。

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「森山大道 ミゲル・リオ=ブランコ 写真展」

東京都現代美術館

2008-11-26

「森山大道 ミゲル・リオ=ブランコ 写真展」

森山大道、凄いですね。まさに写真おやじです。大道がブラジルを写して、ミゲルが日本を写しています。大道はモノクロでブラジルを表現しています。かなり、グッとくるリアリズムですね。古典的な感じもするんですが、森山らしさが出ていると思います。好きです。

ミゲルの作品は初めて見ました。こちらはカラーでの作品で、コラージュ的な作品や、組み写真的な作品もあって、こちらは抽象的な印象でしょうか。

クロスオーバーさせて作品を作らせて、それを展示するアイディアは決して新しいものではないですが、ゴテゴテしたところがなくて、シンプルに二人の作家を見れてよかったと思いましたね。

で、結構よかったと思ったのが、展示場出ると映像ルームが二つあって、そこで、ミゲルの映像と森山の映像がそれぞれ、流れています。森山の方は今回の作品を制作しているところの映像で、ブラジルでバンバン写真取っているところなんですけど、森山がどうやって写真を撮ったのかが見れて面白いと思いますよ。一眼とか使ってないんですよ。コンパクトカメラ首からぶら下げて、人ごみにガンガン入って行って、バンバンシャッター押してるんですよね。反射的に撮ってる感じで、考えて考えてとかじゃないんです。スナップを撮る森山の姿がなかなか楽しかった。

来月はリコーギャラリーで、デジカメ写真の展覧会もあるようなので、それもいっちゃおうかな。

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巨匠ピカソ 愛と創造の軌跡

国立新美術館

2008-11-24

PICASSO: From the Collection of the Musée National Picasso, Paris

ピカソ展です。パリのピカソ美術館が改築と言うことで、今までにない大量の数の作品を従えた、世界規模の巡回展となっているようです。

東京では、この国立新美術館とサントリー美術館で作品で、一応テーマを分けて展示を行っています。何故二ヵ所にしたんでしょうかね?やっぱり金儲けですかね。まあ、ピカソはとにかく人気ですね。凄い人でした。人、人、人、で人しか見れませんでした。本当に!しかし、日本人は凄いですね、あれだけの人の海で絵画を楽しむことが、できるのですから、よっぽど芸術が好きなんでしょうね。さらに、イヤフォンガイド、あれ人の海では結構迷惑です。絵の前で聞かれると、それが終わるまで人が全く流れないんですよね。一応ある程度見たら、後ろに引いて、続きを聞いてくれるならいいんですが、そんなことする人はほとんどいませんね。

ナレーターはフジテレビのアナウンサーたちがやっているようで、その人気もあってかなりの人が借りてました。ガイドやっぱり必要なんですかね?

さて、良かったのはキャパが撮ったピカソとジローの写真です、砂浜をジローが歩きその後ろでジローに日傘をさしてあげながら、歩くピカソの写真です。これ凄くいいです。ジローの表情がいいですね。笑顔で堂々と歩いている。その後ろを巨匠ピカソが追いかけていく、日常の二人の姿がとても素敵に切り抜かれています。キャパって言うと戦場写真で有名で、戦場の緊迫した写真を撮る厳しい人と思われがちですが、本当は凄く優しい人だったんじゃないかって思うんですよね。この写真なんか、本当にキャパの優しい眼があったから切り抜くことができたんじゃないかと思います。ピカソの写真も資料として展示されているので、彼の作品ではないですが、この辺りを見に行っても面白いかも。

キャパはこの辺にして、ピカソです。こっちが多分メイン会場的な位置づけなんだと思います。サントリー美術館はポートレートの作品に絞って展示を構成してあって、こっちは全般にわたって、時代ごとに区切られて展示されたものになっていました。

有名な作品ばかりでしたが、自分はやはり「ゲルニカ」関連の作品が見れてよかったです。「フランコの嘘と夢」の第1葉と第2葉が出てました。この作品は漫画チックな版画ですが、「ゲルニカ」に通じるモチーフは随所にいることができました。これらは、「ゲルニカ」が描かれる、少し前に制作されていたのですから、この時にすでに、ピカソの中では、スペインの内戦に、芸術家として何か強く表現したいと思っていたのかもしれませんね。

このほか、「ミノトウロマキア」的な作品「ラ・ミノトーロ・マシー」なんか興味深かったですね。1930年代に入ってからは、このモチーフでかなりの数の作品を制作してたんですね。ある種の試行錯誤があったんじゃないでしょうか。「夜、鳩を抱い少女に導かれる盲目のミノタウロス」この作品なんかも鳩は「ゲルニカ」の鳥に通じるし、少女やミノタウロスはやはり「ゲルニカ」に通じているように感じますね。この作品は1934年に制作されたものです。ミノタウロスの暴力性、そして女性のイメージ、そして鳥、愛や平和、或いはこころ落ち着きみたいなもんを葛藤の中で表現しようとしていたのでしょか。とにかくそれらのものが、戦争のイメージの広がっていったのは間違いないようです。

うーん、混みすぎ、作品はおすすめですが、展覧会はエンジョイできないかも。

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ヴィジョンズ オブ アメリカ第3部 アメリカン・メガミックス 1957-1987

東京都写真美術館

2008-11-24

ヴィジョンズ オブ アメリカ 第3部 アメリカン・メガミックス 1957-1987

恵比寿とくれば、写真です。写美に行ってきました。実はここに来る前に、国立新美術館行ってきたんですが、連休最後ってこともあったのか、大変な混みようでした。外国人が見たら、日本人ってアートが好きなんだなーって思うでしょうね。そして写美、凄い、数えるほどしか人がいない。「オン・ユア・ボディ」の方だったらもう少し、人がいたかもしれません。まあ、そだとしても「ピカソ展」に比べたら、全く人がいないに等しい。人より作品の数の方が多いです。やっぱり、空いてる美術館がいいなー。それだけで楽しくなるし、リラックスできますね。

まあ、あまり期待してなかったのですが、割と良かったです。アメリカの写真を通して、アメリカの歴史を見る、或いは当時のアメリカを知るみたいなテーマでの展示でした。年代で区切って、三部構成で展覧会が行われているみたいで、すでに、第一部、第二部は終わっていました。自分が見たのは第三部、1957~1987の時代の写真展示でした。1957年と言うと、日本の視点でみるならば、戦後と言う時代になります。45年に敗戦して、約10年と言うことになります。アメリカ的にいうとベトナム戦争の時代と言えるのかもしませんね。実際、今回の展覧会にもベトナムの戦場の写真がいくつもありました。

もう一つとしてはこれから1960年代となっていき、アートの世界ではポップアートが出現して、ヨーロッパからアメリカへとアートの中心が動いていく時代でもあったわけです。このあたりも、展覧会では見ることができました。アンディー・ウォーホールとポートレートや彼の写真使った作品が展示されていました。マリリン・モンローもありましたよ。ベトナムの写真はアメリカ人の写真家のものではなく、日本人の写真家のものばかりでした。これは写美がアメリカ人の写真家がとったベトナムの写真があまりないということなのでしょうかね?でも、超有名な写真が見れました。沢田教一「安全への逃避」です。これ、メディアを通して何度も見た事がありましたが、生で見るとやっぱ違いますね。川を方までつかりながら家族が渡っているところを撮影しています。母親が赤ちゃんを抱え、それに続いて三人の子どもたちが首まで水につかりながら、川を渡っている。そこを沢田が写してるんですが、男の子が、こっちを見てるんですよ。つまり沢田が写真を撮っているのに気がついているんです。その視線がたまりません。凄く怖かった、怖さが生生しく伝わってくる。その怖さとは、いろいろあります。端的に言葉にしてしまうと、俗っぽくなってしまうので、ここでは止めときます。とにかくたまらない気持ちになります。もし見てない人がいたら見に行ってください。この写真見に行くだけでも価値がありますね。

でも、この他にも面白い写真は一杯ありましたよ。写真ではなく、映像でロバート・スミッソンの『スパイラル・ジェティ』の製作過程を記録したものも展示されていました。ランドアートの代表的な作品でもあるこれは、ユタ州の沼に作られた、蚊取り線香状の突堤。巨大な作品で全長は457mもあります。

とにかくユージン・スミスやダイアン・アーバス、ナン・ゴールディンの女性写真家もあったし、日本人なら、奈良原一高、篠山紀信もありました。あと杉本博司も一点出てました『ラジオシティ・ミュージックホール』だったですね。

空いててよかった!

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モーリス・ルイス 秘密の色層 & 常設展

川村記念美術館

2008-11-23

モーリス・ルイス 秘密の色層

企画展よりも実は、マーク・ロスコを期待して言ったのですが、生憎マーク・ロスコの作品は全て、テートモダンに貸し出しされていました。戻ってくるのは2月だそうです。事前に調べなかったのがいけないのですが、残念でした。

この美術館はDIC株式会社のコレクションを展示するためのものです。美術館があるのも、研究所の広大な敷地の中にあります。千葉の郊外ですが、かなり広大な敷地です。でかい池があったり、そこには大きな白鳥が一杯いたりします。環境は悪くないんですが、どーも建物とかが、いまいち好きになれなかったですね。お城と近代建築を混ぜたようなデザインがしっくり来ませんでした。それから、敷地は綺麗に手入れされているんですが、どうも人工的すぎて、周囲となじんでいないんですよね。群馬の館林はなんか馴染んだ感じだったんですが、ここはズレてる感じがしました。そのせいで妙に安っぽい観光地見たいな感じがするんですよね。

コレクションはなかなか見ごたえがあると思います。マーク・ロスコはなかったんですが、

19世紀以降の作品をメインに収集しているみたいで、ジョセフ・コーネルの作品なんかがあったりするです。コーネルの作品は一部屋使って展示してありました。あの箱に作られたコーネルの世界が楽しめました。これだけまとまって見れるところ、他ではないと思います。

フランク・ステラはもっとありました。フランク・ステラが好きな人は行くべきですね。

マーク・ロスコは見れなかったのですが、バーネット・ニューマンの『アンナの光』が良かったですね。アメリカの抽象表現主義を代表とする作家なんです。高さ約3m、横6mのかなり大きな作品で、これ専用の展示室があります。作品は一面、赤が強いレンガ色なんですが、キャンバスの両脇に白いラインが入っています。それが部屋の壁の白と一体になって見えるんですよね。絵に近づいてみるとなんか吸い込まれそうな感覚になりました。単色で塗られているような作品ですが、凄い奥行きというか、底なし沼のような不思議な魅力がありました。

さて、モーリス・ルイスです。20世紀の作家です。凄い独特の描き方をします。「ステイニング」と言う彼独自の手法を使っています。描くというより、絵の具を薄めて、キャンバスに染み込ませていると言ったほうが分かりやすいと思います。今回は彼の三つのスタイルを時代順に展示してありました。まずは『ヴェール』。このスタイルはどの絵も基本的は台形を逆さまにしたような造形をしています。それぞれ作品は色合いが違うだけで基本的には同じ形をしています。これらの作品は画面の上から下へ絵の具を垂らして描いています。それを何度も重ね違う色を使い、微妙な感じのグラデーションと色味が出ているなんとも不思議な絵となっています。色を重ねることで、全然違う色が出てくるわけです。キャンバスの上部の垂らし始めをみると、そこにオリジナルの色が見えるので、だいだいどんな色を使ったのは作品をみると分かります。

染み込ませるって言うと、イメージ的には染物なんかを思い浮かべました。しかし、これはある種の偶然性を利用している感じの作品であると思います。

ところが、彼はこの染み込ませを次第にきわめていくのです。次に出てくるスタイルは『アンフィールド』という作品ですが、これは、中央に空間をのこし表サイドから斜めにラインが4,5本入っています。このラインが染み込ませて描かれているのですが、今度は『ヴェール』と違って、絵の具が重なっていないのです。それぞれが独立しているわけです。これは絵の具の使い方をかなり極めたことだと言う事でしょう。絵の具を垂らして染み込ませているわけで、通常なら、思わぬところに流れていったりして、となりのラインと混じってしまうとはずです。しかしこれは、混じっていないわけです。

そして『ストライプ』のスタイルで完全に「ステイニング」を極めるわけです。これは縦に垂直なラインが色を違えて並べてあるのですが、やはり色の重なりがなく、しかも上から下まで、ほんどんど色ムラもないんです。普通下のほうに行くと絵の具が薄くなったりしそうなものですが、それが見られない。実に不思議絵です。ルイスはこの技術を完全に習得したわけです。

モーリス・ルイスは、他では見たことのないスタイルで、珍しかったです。個人的は『ヴェール』のスタイルが好きですね。

2月はロスコが帰って来るみだいなので、今度はロスコを見に行ってみようかと思います。なかなか個性的な美術館でした。

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川崎市岡本太郎美術館 「岡本太郎 -挑み-」展と「太郎賞の作家Ⅰ」展

川崎市岡本太郎美術館

2008-11-22

「岡本太郎 -挑み-」展(常設)
「太郎賞の作家Ⅰ」展(企画)

川崎まで行ってきました。芸術は爆発だーと言うわけで、岡本太郎です。日本人なら大抵の人は知っていると思います。今月17日から『明日の神話』が渋谷駅で壁画として設置され公開されました。1996に亡くなってから10年以上経ちましたが、今だにその存在感は衰えずと言ったところですね。

さて岡本太郎美術館です。ここいいです!一発で気に入りました。歩きでいく場合は向丘遊園で下車して、そこから歩きます。ちょっと遠いですが、生田緑地の中にあるので、途中からは公園内なので、自然をみながら散歩気分で行けます。環境いいですね。

建物も周りの環境と馴染んでいました正面が階段になっていて、そこをあがっていきます。右手は湧水から流れる水が流れ落ちる水路になっています。階段を上がるとそこはオープンスペースになっていて太郎のオブジェが飾られた池や、カフェテラスがあります。ここをさらにあがると上に巨大な『母の塔』があります。美術館への入り口は『母の塔』へのあがる階段の前のカフェのあるオープンスペースの『母の塔』を見て左手に目立たない感じであります。決して分かりにくいわけでなく、ここが美術館でーすみたいな主張がなくて、粋な感じです。自分は気に入りました。

中に入ると、展示場は中廊下で繋がれて、大きく二つの建物に分かれています。上から見るとHみたいな形になっているわけです。それで、片方が常設で、もう一方が企画展に使われているようです。全体的には、それほど大きいわけでなありませんね。でも東京のいわさきちひろ美術館よりは全然大きいですね。手ごろな感じで悪くないサイズだと思います。カフェもそこそこのキャパがあるし、テラスの前は池でとても雰囲気もいいです。ショップは岡本太郎のグッズを販売しています。書籍は岡本太郎関連の書物ならなんでもあるというわけではないようです。

常設は太郎の絵画、彫刻、椅子や家具なんかもありました。あとは太郎がデザインしたコップや、オリンピックのメダルなどもありました。展示品はもう少しあってもいいかなっと言う感じもしました。岡本太郎の作品は大きいものが多いので、なかなか展示も大変なのでしょうか。所蔵している作品は充分にあるので、定期的に展示変えが行われているので、何回行っても楽しめると思います。今回行ってみて、絵画もよかったんですけど、やっぱ彫刻のパワーに見せられました。『樹人』が良かったですね。

白い木なんですが、枝や幹は膨らんでいてとてもボリュームがあります。そうですね、マシュマロみたいでなんか食べてみたくなりますね。曲線がとても気持ちよさそうに滑らかなんですよ。女性的な作品ではないでしょうか?

常設店では太郎の両親に関する展示もありました。岡本一平と岡本かの子、親父は漫画家で、お袋は小説家。この二人の作品も数点出てました。一平の漫画は面白かったですね。この人も今の漫画文化を作った一人なんですね。

企画展はTARO賞の第四回から第九回までの受賞者を集めた展示でした。気に入ったのは二人。えぐちりかと開発好明。えぐちりかは、もの凄い数で色とりどりのパンティーを敷き詰め作った花園が良かった。『秘密の花園』という作品今や女のほうが男より強くなっている時代で、その象徴的作品と思いました。無数のパンティーは女性で、かつ男の目なんか気にしない、元気一杯の女性。まさに現代を表しているように感じました。

開発好明は『彼女』って作品が気に入りました。何か見た瞬間に分かってしまったんですよね。洗濯機に土がすりきりまで入っていて、そこに木が植えてあるんです。2mくらいある木が洗濯木から生えているわけです。あるいは、洗濯機が植木鉢と見る人もいるかもしれません。これが彼女です。自分にはここから、彼女がみえちゃったわけです。だから一発で好きなりました。

ところで、美術館に行って見て、あらためて、分かったのですが、岡本太郎って、本当になんでもやった人だったんですね。絵かきとか彫刻家とか、そう言った枠では捉えられない人。デザインもやったし、民族研究家でもあったわけです。本当のアーティストだったんですね。岡本太郎は生前、「あなたの本業はなんですか」という愚かな質問にこう答えたそうです「私は人間です」と。

おすすめの美術館です。東京に住んでいるなら、美術館を見終わったあとは生田緑地の散策などして一日のんびり過ごせます。ドライブがてら是非言ってください。カップルで言っても楽しいです。

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ヘルマン・ニッチ展

山本現代

2008-11-19

ヘルマン・ニッチ展

山本現代で、なんと、横浜トリエンナーレに参加していた「ヘルマン・ニッチ」の展覧会が行われているので、怖いもの見たさで行ってきました。

山本現代は白金にあるギャラリーです。現代とあるように現代アートを扱っています。さてヘルマンです。作品は横浜で見たものと、ほとんど同じでした。ある種の儀式みたいなことをやっているところの映像とその際の写真。それから動物の血で描いた絵画みたいなもの。裸の男と女が台の上で解剖されているようにも見えるこの儀式。本当は動物を解剖してその内臓なんかを、生贄のような男女の体にぶちまけていて、グチャグチャとやっているのですが、かなりグロです。「アクション」と言われるパフフォーマンスなんだそうです。

どうなんですかね。やっぱり好きになれないですね。表現は個人自由だと思います。綺麗なものだけを作る必要もないのですが、ちょっとこれは理解できない。自分の生存のために他の生命を奪っている現代社会に疑問を投げかける意味もあるそうですが、それ以前にちょっと残酷すぎるんですよね。

こんなの買う人いるのかよ、と思っていたら、しっかり何点か売れていました。いろんな人がいるんですね。血が苦手な人は見ないほうがいいです。

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森山大道「バイバイ ポラロイド」

タカ・イシイギャラリー

2008-11-19

清澄に行ってきました。倉庫の中にあるんギャラリー街のうちの一軒。森山大道です。説明の必要ないですかね。大御所です。

今、都現美で、森山大道の展覧会してるので、その関係ですかね。内容はポラロイド写真が、約500枚くらい、ズラッと横一列の壁に展示してありました。ポラロイドなので、ここの写真は小さいです。手のひらサイズですからね。写真は今年とったものだそうです。タイトルにあるように、今年の夏、ポラロイド社がとうとう、インスタントフィルムの生産を止めたことから、ポラロイドも、もうなくなることになります。そこで、さよならポラロイドということだそうです。

作品は、新宿とか池袋とか繁華街の写真で、匂いがしてきそうなくらいの場末の場面が多かった。凄い、肉肉しく強さや、汚さ、醜さみたいなものが感じれる写真でしたね。

ポラロイドをプロも結構使っていたみたいで、本番の前にテストでとって、感じを見るのに使っていた人もいたようです。500枚並べると、集合体としての力はあると思うけど、やっぱり、もう少しデカイ写真がいいかな。リアリズムより感覚的なほうが個人的には好きなので、ちょっとストレートすぎだったかな。

都現美も行ってみよう。

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石内都展 ひろしま/ヨコスカ

目黒区美術館

2008-11-16

石内都展 ひろしま/ヨコスカ

目黒区美術館に行ってきました。駅から少し遠いのですが、目黒通りを歩いていくので退屈はしないですね。目黒区美術館、シンプルで好印象でした。展覧会よりもWSで有名なのは、児童公園と隣接しているからなんですかね?

世田谷美術館などに比べると規模、小さいですが、展示スペースはそこそこありました。板美と同じくらいの広さでした。カフェもなかなかセンスがいいです。決してお金がかかってるわけではないのですが、上手く運営してますね。ミュージアムショップも受付に小さくあるのですが、扱っているものが、センスのいいものが多くて、思わず欲しくなりました。価格帯も、それほど高くなくて丸でした。センスのいい、グッズでも、恐ろしいくらい高いものだと、到底買う気にならないですからね。

さて、展覧会です。今日本の女性写真家で、大御所の一人です。石内さんは、去年かその前の年、東京写美で『Mother's』を見ました。さて、今回は石内さんの活動を大きく振り返るような内容になっていました。初期の『ヨコスカ』に始まり、『1.9.4.7』、『疵』、『Mother's』など、今までの代表的な作品が、ほとんど見ることができました。そして最新作『ヒロシマ』まで、かなり内容ある展覧会だったと思います。

石内さんと言うと、体の特定の一部をクローズアップしたり、洋服、靴など、顔のない作品が多いです。しかし、決して無機質な感じではなく、そこか逆に、強烈にその所有者の存在を見る側に感じさせる作家だと思います。最新作の『ヒロシマ』でも、被爆した人の衣類や、櫛などの小物などを、写しています。かけらも人間は写っていないのに、そこに人間臭さが溢れてるわけです。『ヒロシマ』がヒシヒシと伝わるんですよ。

石内さんが写す、洋服は、まるで、その所有者が脱皮した皮のようにも見えるわけです。単なる衣類ではなく、その人の皮、つまり体の一部になるわけです。だから、そこに、その人の呼吸、匂い、その人の痛みや、喜び、全てが刻みこまれているようで、まさにその時のその人をそこに見ることができるんですよね。

ちなみに、当日は石内さん本人が来ていました。どうやら藝大の写真部の、生徒とともに来て説明していました。まあ、サインとか迷惑かなーと思っていたら、うちの相方が、さりげなく注意していたらしく、石内さんが、一階のカフェでお茶しに入ったところに、すかさず、お願いしてゲット!となりました。とても優しい方です。ってサイン貰ったからかい(笑)

石内さんは、人間を強く見続けながら、表現している作家だと思います。それが、この展覧会を見ると分かると思います。おすすめです!気楽に見れるので、ふらりとどうでしょう?帰りは中目黒あたりで一杯で〆(笑)。

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「大琳派展-継承と変奏-」 二回目

東京国立博物館

2008-11-15

「大琳派展-継承と変奏-」

どうしても見たかったと言うわけではないのですが、宗達、光琳、抱一の三枚が揃うので見に行ってきました。これ前半だと、三枚揃って展示してないんです。展示代えがあって、後から、宗達とか、抱一の作品は出てくるです。

三枚の揃い踏みは、実は2006年に出光美術館で、風神雷神の展覧会があって60年ぶりの一挙公開があったんですが、2年後にまた見れました。そのときは今世紀はないなんて言ってたんですけどね。

おまけで鈴木其一の襖に描いた風神雷神も公開されているので、四世代、揃って公開とも言えますね。

三枚並べると、それぞれの個性が分かりますね。宗達は雷神が画面に収まってなくて切れてるんですが、光琳は画面にしっかり入っている。でもはみ出している分、宗達の方が画面が小さいのに迫力がある。抱一は風神雷神が、ユーモラスな表情。三者三様なんです。自分は今回は抱一が結構気に入ったかな。

でも実は鈴木其一の風神雷神が一番、気に入りました。襖なんで、比較にできないかもしれないですが、彼だけが背景が銀なんですよね。なんか渋くていいんですよ。金屏風は確かに豪華なんですが、渋さがなんか妙によかったです。

鈴木其一は琳派に入れないと言う考えもあるらしいですが、自分は鈴木は新しい時代の琳派だったと見るべきなんじゃないかって思いました。彼の作品は確かに、独特なものがあるんですが、さすがに光琳からみても二世代あとになるわけで、時代も変わっていたわけです。ある意味鈴木は現代っ子だったわけで、そのテイストまま琳派の流れに乗った感じがします。

鈴木の作品で『秋草・月に波図屏風』というのが出品されていました。これとっても綺麗でた。表に桔梗を朝顔に変えた秋の七草を描き、裏に金泥で月と波が描かれています。普通が当然それぞれの面から、それぞれが見えるだけなんだけど、これを裏面から光を当てると…、なんと裏面の絵が透けて見えるですよ。つまり七草の背後に月が上がり波が浮かびあがるのです。ちょっとトリッキーな作品ですが、大変面白かったです。展示もだんだん明るくして、だんだん暗くしてってのを繰り返して光を当てているので、この作品の特徴がとてもよく分かります。鈴木其一は、やっぱ新琳派だったと思いますね。

あと宗達『白象図・唐獅子図杉戸』が気に入りました。象がいいです。キャラ的な絵でちょっと意地悪そうな表情がいいですね。杉戸、つまり板に書いてあって、扉の大きさあるので、かなり大きな作品です。シンプルな作品で味がありました。

最終日直前なんで、激混みでした。入るのに30分もならびました。中では人しか見れません。絵を見に行くより人を見に行った感じでした。

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project N 35 ましもゆき

オペラシティー・アートギャラリー

2008-11-12

project N 35 ましもゆき

前回の続きです。蜷川さんのあとオペラシティギャラリーが毎回やっている新人の展覧会を見たわけです。二回の小さなスペースなんですけど、今回は”ましもゆき”と言う作家でした。見たときすぐ、分かりました。この人見たことあるって。

そうなんです。東京都現代美術館でこの前見た「トーキョーワンダーウォール公募2008」で見てたんです。ここに言って気に入った作家の一人だったんです。やっぱ他にもいいと思う人いたんですね。

作品はモノクロ、ペンで緻密に書かれた細密画です。ビアズリー みたいな感じでしょうか。でも、スケールとモチーフは全然違います。日本画的な様式に現代的なモチーフを扱っているので、とってもクールな感じがします。

悪くいうと、最近の現代アートのパターンみたいなところもあるんですが、ストラクチャーとしては会田誠みたいな感じ。でも彼女の作品には、存在感が確かにあります。

現美で見たのは『花と武器』だったと思います。これも凄いいいです。今回初めて見たのでは、『前夜祝』が凄くよかった、迫力がありますよ。それにとても細密。小さな作品も、いい感じでしす。『笑っているあなたが好き』などの小作は裸の少女がモチーフですが、ダークファンタジーが、東京の混沌を象徴しているようで、面白い。

とにかくお薦めです。絶対見て欲しい。そして今後彼女が活躍して欲しいですね。

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「蜷川実花 展 ─ 地上の花、天上の色 ─」

オペラシティー・アートギャラリー

2008-11-12

「蜷川実花 展 ─ 地上の花、天上の色 ─」
Earthly Flowers, Heavenly Colors

蜷川幸雄さんの娘さんなわけです。だから、どうってわけでないですが、どうなんだろう。これ、本当にいいのかなぁ。朝日新聞では高階秀爾.さんが、展評書いてたけど。高階さんが言うから、いい展覧会なんでしょうが、個人的な意見を言うと、それほどと言うのが感想。

個人的に金魚が好きなので、(実際かなり好き、飼っていたことがある)金魚の部屋は楽しめました。サブタイトルに「フナの突然変異、人間によって捻じ曲げられた生き物、幸せそうにひらひら泳ぐその姿」とついていた部屋です。でも実際には作品がよかった、とかじゃなくて単に金魚が見れたから、楽しかっただけなんですけどね。でもサブタイトルと作品並べると悪くはないとは思います。

でも、結局、展覧会の目玉はアイドルタレントのポートレートだったと思います。というか、芸能人の写真に他の作品が、完全に飲まれてしまっていた気がします。特に最後の壁一面に200以上の有名人の写真はいらなかったんじゃないでしょうか?

新作の部屋なんかも悪くなかったし、造花をまるで生き花のように写した写真もいいと思ういます。この辺りの作品は、面白いものもあるんですよ。ただ、『人』とタイトルをつけられた部屋や、最後のポートレートのコーナーが一番の見所となってしまっていたのが、残念でしたね。人のコーナーでは彼女が製作した映画「さくらん」土屋アンナ主演の作品から、花魁に扮した土屋アンナの写真や、その他彼女が今まで撮影した「さくらん」のようにコスプレさせられた、タレントの写真がずらりと展示してある。中川翔子や栗原千秋、小栗旬とか、松平健なんかもありました。まあ、どれも原色ばっりの色彩の中で撮影されていて、そこに蜷川ワールドはあることはあるんだけど、それがなんの意味もなしていない。芸能人に扮装させて写真とっても、それってテレビと大して変わらないわけだし、これらの写真が写真集とか、ポスターなんかのために撮られたものだから。意味ないんだよね。

最後の200枚以上のポートレート、唯一笑えたのが、木村カエラ、土屋アンナ、黒木メイサとかとにかく、うなるような、綺麗どころの中になんと、草間さんがいるではありませんか!これには笑いました。もっとも美輪明宏や、桐島洋子なんかもいるんですが、草間さんは一番、インパクトありましたよ。でも来ている、ほとんどの人が草間さんを知らないようでした。だいたいの人が樹木希林と思ってたようです。

とにかく、来ている人がほとんど、二十代前半の女の子か、カップル。そして、例外なく、タレントの写真のところで、立ち止まりジックリみていました。出品リストにタレントの名前が出ているので、それと照らし合わせながら見てましたね。

「えー、これベッキーなの、気がつかなかった」とか「可愛くない?」とか言って、堪能していました。ネームバリューあるんだから、タレントの写真使ってまで人集めしなくてもよかったんじゃないかな。タレント抜きで作品で見せるべきだったんではないでしょうか?展覧会の構成上、必要性があるような流れにはなっていたけど、必然はなかったですね。自分なら使わないで構成したと思う。もっとも、それないと、作品点数が少なかったのかな?

1000円では高いかも、でも芸能人、タレントの写真集が見たいなら、お安いかも!気になる人はオペラシティー・アートギャラリー前の本屋に図録があるから、立ち読みして、それから入るか入らないか判断したらいいと思います。

でも、今回はオペラシティー・アートギャラリーでやってる、新人の為の展示スペースでの展示、"project N"で出会ってしまいました。続く!

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アンドリュー・ワイエス-創造への道程(みち)

Bunkamuraザ・ミュージアム

2008-11-7

『アンドリュー・ワイエス-創造への道程(みち)』

一日早く、見てきました。オープニングに行ってきました。アンドリュー・ワイエスと言う作家はあまり知らなかったのですが、現代でもテンペラを使った作品を作っている作家です。なので、代表作はテンペラのものが多いですね。

しかし、展覧会では、そのテンペラの代表作は写真の図版でした。今回はそこにいたるまでに描かれた、素描や、水彩で描かれた習作にスポットを当てた展覧会となっていました。リアリズムの作家で、絵はとても優しい感じで、とても上手いですね。水彩画なんか、とても繊細に描いてあって、日本の女性には受けそうな感じでした。微妙な暗さがあるのが気になりますが、ちょとインテリの女性には受けるでしょうね。

水彩画は透明感があって、単純に綺麗です。そうですね「クリスティーナの世界」は習作や、素描ではなく本物を見てみたいかな。会場で一番気になったのは、皮肉なことに、テンペラの作品を写真に取ったイミテーションでした。

でも、最初会場で見ていたとき、アンドリュー・ワイエスは水彩画の作家なのかなと思っていました。水彩画も悪くはないです。ただ個人的には、今1つ伝えるものが弱い印象なんですよね。

会場で気に入ったものをあげるなら、「カラスの群れ」ですかね。これも習作なんで、ちょっと作品の力は弱いんですけど、とてもいい作品だと思いました。水彩画は幼い頃から描いていたそうなので、とにかく上手いです。ドライブラッシュと言う技術で描かれた作品なんかは彼特有の個性が強く出ていますね。

素描と習作ばかりだったので判断に困りますね。今までに彼の作品を見たことがあればよかったのかもしれません。でもリアリズムで風景画が多いので、現代アートよりは確実に一般受けしてましたね。

個人的には嫌いじゃないです。荒涼感のある、風景画は、疎外感の中で生き続ける東京や大都会の人間の寂しさとつながるイメージがあったし、そこにまた、人間の儚さみたいなものが見え隠れしてる感じもするので、悪くはない、でも凄くいいかと言えば、そうでもなくて、自分にとっては普通かな。

現代アートが駄目な人でも、この人なら大丈夫。渋谷でどうぞ。

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「アネット・メサジェ:聖と俗の使者たち」

森美術館

2008-11-2

「アネット・メサジェ:聖と俗の使者たち」

一体、何者?と思いながら行ってきました。ぬいぐるが一杯ありました。インスタレーションを主としている作家です。入るといきなり天井からガラスプレートが沢山ぶら下がっていて、その上に様々な剥製が乗っているだけでもびっくりなのに、その剥製の頭にぬいぐるみの頭をマスクのように被せてありました。なんじゃいこりゃって感じでしたね。

なんか、グロ系の作家と思いきや、そうではないですね。女性だからって差別するわけではないですが、ぬいぐるみを素材に使うあたりは、やはり女性ならではの感性だと思います。「つながったり分かれたり」では狂牛病で死んでいく牛をモチーフにしています。これ結構好きでした。大型のぬいぐるみが、床一面に転がされいます。それがワイヤーで微妙に動いていて、その回りを牛のぬいぐるみがワイヤーで引かれて回っているんです。この牛は死んだ牛のイメージなんですが、彼女はこの作品で人間の命だけでなく、地球の命は全て繋がっていて、人間のエゴは結局、人間に回ってくるみたいなことを訴えているように思いました。

「たよったり自立したり」と言う最後に展示してあった作品も、神秘的な森のようなイメージでありながら、全体は実はハートの形をしていたりする。天井から垂れ下がる、糸はそれ一本一本が人間のようであり、そう見ると社会のイメージなんだろうかと思ったりもできる。全体的にやっぱり女性作家だなと思う、どこまでも優しくて、どこまでも暖かい。

いいと思ったのは、「ピノキオ」これは一部の展示でフルヴァージョンではないが、充分楽しめた。床一面に赤い布が波打っている。奥のから送風機で空気が送られている。海のイメージで、透けた布の下には貝殻のそうなオブジェが輝いている。ピノキオと言うと、子どものためのお話と誰もが思うかもしれないが、その内容は人間を、とてもよく表している。人間のいい所も、悪いとこも、その中に象徴して描かれている。

この作品も一見ファンタジーチックな作品に見えるが、それは時間と共に変化する。最後に海が大きく膨れ、天井から様々の表情のピノキオの顔が降りてくる時、などはかなり怖い。

個人的な好みでは「観察中」が、とっても好き。思わず笑ってしまった。ロボットの犬の目の前に中身がない、ぬいぐるみがぺシャンと潰れておかれている。ロボット犬はそれをじっと見つめている。もしかして、このぬいぐるみはこのロボットが着ていたのかな、なんて想像が広がる。なんか見つめているロボット犬が妙に人間っぽくて笑ったしまった。小さな作品だけど、妙に気に入った。

なんか母親みたいな、暖かさがある作家でしたね。もちろん母親は暖かいでけでなく、時に気びく、とても強いわけで、そんなイメージを作家にもちました。女性の作家って結構好きです。傲慢じゃなくていい。

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「津田直展 SMOKE LINE―風の河を辿って」

資生堂ギャラリー

2008-10-31

「津田直展 SMOKE LINE―風の河を辿って」

資生堂です。今回は日本の写真作家でした。まだ30歳ちょっとの若い作家さんですね。でも、結構いいと思います。二つ展示室があるんですが、手前に部屋にあった作品が特に良かった。中国とかモンゴルとかモロッコを旅をして撮った、景色の写真なんですが、単に一枚の写真に収めるのではなく二枚の写真で一つの風景を収めています。二枚一つで10点前後あったと思います。

荒涼とした乾燥地帯の写真など、スケールの大きな自然を静かに写しています。そこに空気が見えるんです。風が見える。吹いている風、空気の動きを感じる写真でした。そして二枚一組の作品が一続きの地平線のようにも思える、全体としても力のあるものでした。

地球の胎動を聞くことができると思います。そして風を感じることができます。

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「白」 原研哉 展

ggg 銀座グラフィックギャラリー

2008-10-31

「白」 原 研哉 展

今、話題のグラフィックデザイナーの一人です。「デザインのデザイン」という著書で知ってる人も多いかもしれません。

原さんは白という色に対して特別な考えあるようで、色の中でも白だけが特別な存在と考えています。今回は1階ではアルミボトルで作った日本酒のボトルや、握りやすい石鹸をイメージしてデザインした、お年寄り向けの携帯電話などが展示してありました。

地下には、商業デザインの作品ではなく、今まで彼が制作したインスタレーションの作品が展示されていました。『蹲踞』、『WATER LOGO』、『ししおとし』が展示してあった。『ししおとし』は21_21デザインサイトので見た作品。

『蹲踞』も『ししおとし』もどとらも、破水加工された、白い素材の上を水が転がっていく作品となっています。流れていくのではなく、転がって生きます。破水加工された、白い素材の上では球になってしますんですよね。とっても不思議なので、一度見てみるといいと思います。とっても面白い。そのアイディアも凄いのですが、その作品時代の造形も素晴らしい。『ししおとし』では斜めに置かれて白い板の上に小さな出っ張りがついている。パチンコ台の釘みたいになっています。その板の上にガラスでできた、ししおとしがあります。そこに水がパイプで流されていて、一定量たまると、お辞儀するわけです。そこで水が板の上にこぼれて、板の上をパチンコ玉のように転がっていくわけです。板は破水加工されています。

『蹲踞』は一番下に大きなお皿があってその中央に穴があいています。そのお皿までは3mくらいの長さの水路が滑り台のようについていて、一番上から、水が落とされます。この作品も滑り台、お皿ともに破水加工されているので、落とされた水は玉になり転がって生きます。お皿まで転がってくると、お皿の中をルーレットの玉のように転がりながらしだいに渦を巻き、最後にお皿の底に穴に落ちると言う作品。これ、なんだが小宇宙のような作品でした。金沢21世紀美術館で展示されたようです。

原さんの作品はどれも極限までシンプルなんですが、そこから受ける印象はもの凄く大きくて、沢山あって、複雑な気がします。

原さん曰く、造形をデザインするだけでは50%で、あと、まだ、見た人がどう感じるかをデザインする領域が残っていて、これをデザインすることが必要なんじゃないかと言っています。だから、原さんの作品からは多くを感じてしまうのかも知れません。原マジック!

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福田美蘭展

第一生命南ギャラリー

2008-10-31

福田美蘭展

銀座の第一生命ギャラリーに行ってきました。面白い作家ですね。現代社会の日常からモチーフを見つけて作品を制作しているようです。今回の作品はいくつも、とても精密で車輪と思ってしまうくらいにリアルに描かれていrまいた。また、どの作品も基本的には写真をベールにしているような印象を受けました。

自分が特に面白いと思った作品は現代のモチーフを日本画や浮世絵のストラクチャーに落とし込んだもの。琳派の扇面画の構成に、現代の日本の夏に配られる宣伝用の団扇を張り込んだ作品「扇面流図」は和ポップ見たいな感じでよかったですね。

でも自分が特に気に入ったのは、歌川広重の「浅草金龍山」のからイメージを受けて、現在の浅草寺で雪の日に、同じ構図で作品を作ろうとしたもの。実際には広重を同じ構図はすでになく、結局そこで移した四枚の写真を再構成してそれを絵画で表現したもの。これ、全然広重と見た目は違うんですけど、イメージがつながるんですよね。

そして現代の日本を象徴している気がします。人間ってやっぱり平凡でもあるんじゃないかって、あらためて思いました。こういう見方ってのありですね。追い詰めるだけが芸術でもないし。

無料で見れます。おすすめ。

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