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2008年10月

小松誠―デザイン+ユーモア―

東京国立近代美術館

2008-10-30

小松誠 ―デザイン+ユーモア―
MAKOTO KOMATSU EXHIBITION
designhumour

主に磁器を中心とした作品を制作している作家です。作家は知らなくても、作品は知ってる人は多いかもしれません。

小松さんはもと、もと工業デザイナーだったようです。今もプロダクトデザインを中心に活躍しています。小松さんと言えば、磁器の作品が有名ではないでしょうか?白い灰皿の中に二つの磁器でできた玉が置いてある作品など、どっかで見たことがあるのではないでしょうか?二つの玉がタバコ置きになっていて、それが自由に動かせるという作品。とてもユーモアがありますよね。

そして、何度見ても感動するのが、しわくちゃの紙袋を磁器で作ったさくひん。磁器で紙袋のしわがリアルに表現してあるんですよ。もっとも実際の紙袋に磁器をつけて、焼くと紙袋が無くなくなるという原理で作っているので、手で作りこんだというわけではないようです。しかし、磁器という、素材で紙を表現するという、アイディアが面白いし、実際できた作品は何とも言えない、不思議な作品となっています。見たことない人は是非一度みるべき、本当に驚くから。

自分は磁器の作品しか見てなかったのですが、今回ガラスの作品も見ることができまいした。これも、なかなかいいですね。でも小松さんの作品は磁器のほうが好きですね。お皿がちょっと広くなっていて、そこにお菓子を載せられる。コーヒーソーサーとカップなんかは、欲しくなってしまいます。実際どっかで買うこととできるんですよね。思ったほど高くもないんです、これが。

あと、工業デザインの作品でない、ダリへのオマージュ的な作品の『象』とか、マグリットを意識した、足が一杯並んだ作品もよかったですね。

小松さんの作品に共通して言えることは、どれにもユーモアがあるんですよね。とっても優しくなれる、暖かいユーモア。日本人の洒落とは違う、大陸的なセンスを感じます。そこに、日本人らしい、真面目なデザインが融合されている。それが小松さんの個性につながっているのではないでしょうか?

魅力的な作品が一杯です。気に入ったら買ってみるのもいいかも!

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『丸山富之 新作展』

ヒノギャラリー

2008-10-30

『丸山富之 新作展』

小松さんの作品を見てから、ヒノギャラリーに行って見ました。砂岩を材料に使った作品を作っている作家のようでした。とても有機的なナチュラルな感じの作品でした。『山』とか『あかつき』って作品を見ました。山は楕円の球を真ん中から真っ二つに割ったような作品でした。あかつきは壁のよな感じの作品。そうですね、石のオブジェなんですが、シンシンとした静かな力を感じる作品でした。砂岩を使っているせいだと、思うのですが、柔らかく、温かみがありました。

シンプルでもいいんですけど、ちょっと自分には抜ける感じはなかったかな。

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伊藤彬展 モノクロームによる現代の表現

平塚市美術館

2008-10-29

伊藤彬展 モノクロームによる現代の表現

速水御舟と同時開催されていました。墨を木炭を使って、モノクロームで画面一杯に植物などを描いてありました。これ写真で見ると分からないですけど、直接見ると黒がもの凄く黒く、結構重量感のある作品です。ルドンに影響を受けているようですね。

うーん、自分はルドンの方がやっぱりいいかな。

焚き火をモノクロームで描いているのは、ちょっと惹かれたかな。

まだ現役の作家さんなので、また違う展覧会で見てみたいですね。

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近代日本画の巨匠 速水御舟-新たなる魅力

平塚市美術館

2008-10-29

近代日本画の巨匠 速水御舟-新たなる魅力

この速水御舟と言う人のことはほとんど、知らなかったのですが、かなり人気があるようです。平日の昼間に平塚市の美術館に行ったわけですが、結構混んでいるわけです。年配の方もいましたが、大学生風の人も結構いましたね。近代の日本画家です。1985に生まれて1935年に亡くなっています。短命だったわけです。

展覧会は御舟の初期の作品から最後の作品まで、年代順に展示してありました。作家の全体を見せる、オーソッドクスな展示形式です。でもこのほうがシンプルで見る方は良かったりします。あまりテーマとかこってると、その作家のイメージが違うものになってしまったりするので、自分はプレーンなものが割りと好きです。

バリバリ日本画家なんですが、結構ヨーロッパの影響を取り入れたりしていて、なかなか面白かったです。1920年の『果物(林檎)』や『葡萄にカリン』なんかにはあきらかに、セザンヌなんかのヨーロッパの静物画を意識しています。、年代を追って展示してあるので、作品の変化がよく分かりました。1920年の終りから1930年の最初くらいまでは、西洋風の傾向が見えたりするのですが、それを過ぎると、表面的には凄く東洋チックになって行きます。後年は水墨画なんかもあって、次第に落ち着き、無駄がなくなっていくことが分かります。

自分が気に行ったのは『京の家・奈良の家』という作品でした。これは或る種の過渡期的な作品で、画風の変化の狭間に実験的に描かれた作品のようです。御舟はこの絵の少し前までは細密画を描いていたのですが、これは割りと、大雑把な作品です。そして色がパルテル調で淡い感じで、個人的にはポップな感じする、御舟の中ではあまり見られない作品なので、気に入りました。日本画でありながら日本画でないような感じがするとこも気に入ったところかもしれません。動物や植物の絵はとてもリアルでうまいです。

絶筆とされている『円かなる月』もいいです。左右から松の枝が中央で混じり左端に月があると言う作品です。絶筆とありますが、やはり年月をかけて成長してきた作家の到達した世界が見えるようで、気に入りました。

後、単純に面白いところでは、ヨーロッパを旅行したときの景色を描いた作品もありました。日本画なんですが、西洋の風景が描かれていてその、不自然さが面白いと思います。東山魁夷なんかも海外の風景を描いていますが、それよりはもっと、イージーでなんか親しみがあって、軽い感じが面白いと思います。

美術館は綺麗でしたね、でも建築というか、建物のデザインが好きでないかな。あと駅からちょっと不便ですね。でも企画展は毎回、玄人好みのいい企画を行っているようです。

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1930年代・東京

東京都立庭園美術館

2008-10-28

1930年代・東京
アール・デコの館(朝香宮邸)が生まれた時代

東京庭園美術館の建物、朝香宮邸ができたのが1933年。今回はその1930年代の東京をキーワードにして、作品を集めた展覧会でした。1930年代というと第二次世界大戦の直前の時代で、日本がある意味元気だった時代と言えると思います。朝香宮邸に代表されるように、海外からの新しい文化も入ってきて、賑わっていた頃だったようです。

関東大震災で街が破壊され、東京はそこから復活するわけですが、古い家屋がなくなったおかげて、街にはどんどん新しい建物がたち、街の風情はどんどん近代的なものに変わって行きました。その中で様々な文化が影響を受けました。今回の展覧会では、絵画や、写真、彫刻、雑誌のデザインなど、当時を知ることができる、様々な物を一同に集められていました。

1930年を代表する、全てがあったと言う訳でないのですが、それでも、1930年を振り返るには、なかなかいいできの展覧会でした。

「婦人クラブ」の表紙が展示されていました。竹久夢二が製作したものです。女性が化粧をしているところですが、実はこれと全く同じ構図のイラストがあるんです。ジョルジュ・ルパールの『赤い鏡』という作品なんですが、これ本当にそっくり、勿論夢二のほうが後です。おそらく参考にさせてもらったんでしょうね。海外の影響や、海外のものを、貪欲に吸収していた、当時の雰囲気が分かる作品でした。下手すると盗作?って言われそうなくらい似てます。当時の日本は様々な物のお手本を海外に求めていた時代だったようです。中国のことあまり悪く言えないかも。

また、この時代は大きくデザインの概念が進歩した年代でもあるようです。朝香宮邸の建設にさきがけて、「仏蘭西装飾美術家協会展覧会」(1928)と「新興独逸建築工芸展」が開催され、日本の建築やデザインに大きく影響を与えたのは間違いないですね。

天皇陛下が贈り物としてコンペイトウを配るときに入れるボンボニエールなんかも、可愛くて面白かったですね。これ売ってないんですかね?高くて買えないと思うけど。銀の入れ物なんですけど、とっても素敵です。女の人だったら小物入れとして使えますよ。

さて、個人的に気になったのは濱谷浩ですね。「雪国」のイメージがあったですけど、若い頃は、東京の写真を撮っていたんですね。府中競馬場で、菊池寛と入江たか子のツーショットのスナップがいい。当時の文化人の風俗がよく分かります。東京の通りやダンスホール、濱屋が当時の東京を象徴している場所をとっています。そこには、第二次世界大戦で敗戦することになることを、まだ知らない日本の社会がハッキリ見ることができます。

他、東郷青児作品も個人的は好きなので、楽しめました。ここは建物自体が1930年代を代表する作品なので、展示会場自体も1930年代なので、タイムトリップできるかも。

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オノ・ヨーコ『BELL OF PEACE 平和の鐘』展

学習院女子大学

2008-10-26

開学10周年記念国際展覧会 オノ・ヨーコ『BELL OF PEACE 平和の鐘』展

オノ・ヨーコです。相変わらず健在ですね。日本人と呼んでもいいなら、女性作家の中では大御所ですね。彼女の作品は結構よく見るので、当たり前になっていたところもあるんですが、今回あらためて、やっぱオノ・ヨーコって凄いって思ってしまいました。彼女のアートに関する考え方はフルクサスと似たようなものなのかと思っていましたが、活動はともにしていてもオノさんの方がもっと広い立場にいたような気がします。

彼女の作品はいつもみんなと一緒みたいなところがあるんですよ。一貫して平和、つまり愛について、表現していると思います。それもストレートに。そして常に観客を引っ張り出す作品。彼女の作品に触れると間違いなく、その前とその後では何かしら変わってしまう。作家と作品、そして見る人の関係がそこにあって、見る人が作家と同じステージにあがることができる。まあ、難しいこと抜きに楽しめるってのもいいところです。

さて、展覧会は学習院女子の構内で展示されています。作品は5つです。『Bell of Peace』、『Grapefruit』、『Wish Trees』、『Mend Piece 』、『MY MOMMY IS BEAUTIFUL』です。『Wish Trees』は、もう何回見たかわからないくらい見てますね。木に短冊をぶら下げる作品、見る人が願いを書いてぶら下げることができます。

今回、気になったは『Mend Piece』。これは事前の予約がないと参加はできません。見ることはできます。これはカップとソーサを割って、それを再び組み立てるわけです。勿論、元の形にする必要はなく、自分たちで思ったようにくっつければいいわけです。これは二人で参加しないとなりません。要は人間関係の再構築という事だと思います。参加者が既に再構築した作品が展示してあるりましたが、当たり前ですが、様々で面白かった。できる限りもとの形に近い感じで直してあるもの、カップとソーサーの形にこだわらず、全く違う形に構成してあるもの。本当、見てるだけでも面白かったです。まだ、開催されているので参加したいですね。これ。

あと『Grapefruit』は結構面白かったんで、本買って読んでみようと思いました。

入場無料です。カップルで行くのがおすすめかな。

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西洋絵画の父「ジョットとその遺産展」

損保ジャパン東郷青児美術館

2008-10-25

西洋絵画の父「ジョットとその遺産展」
~ジョットからルネサンス初めまでのフィレンツェ絵画~

久しぶりに、昔の絵を見ました。最近は現代、近代の作品を見ることが多かったような気がします。ジョットです。宗教画ですね。時代は壁画、板絵の時代です。テンペラ画ということですね。14世紀の画家で、ルネッサンスの以前の画家になります。ジョットは後世の多くの画家に影響を与えたと言われています。ジョットはそれまでの、ビザンティン様式の絵画を古代ローマ風でかつその時代風のものへと変化させました。つまり、ルネッサンスの先取り、あるいは彼がルネッサンスへの流れの基礎を作ったと言えるのではないでしょうか?

日本人にとっては、キリスト教自体が馴染みがなく、また、聖書なども身近ではないので、宗教画はいまいち分からなかったりします。しかし、絵画の変化は見ていると分かるもので、ジョットのものは、とても立体感があります。これはジョットのものは影がしっかりついているんですね。その為に凹凸感がつまく表現されています。

ジョットの頃は、まだ光背があります。つまり、描かれているのは人間ではなく聖人ということを表しているわけです。一般人がモチーフになるのは、もう少しあとの時代のようです。

さて、今回は絵画ではなく、ジョットの作った、ステンドグラスが、綺麗でした。『殉教助祭聖人』という作品ですね。ステンドグラスなので、簡略された表現になるかと思うところですが、彼が描く絵画とあまり変わりません。ステンドグラスでもジョットのダイナミックな表現がしっかりされているところが気に入りました。

あと、本物は持ってくるのは無理なので、写真でしたが、スクロヴェーニ礼拝堂の壁画が凄かったです。これいつか本物を見てみたいですね。全体的背景に使われている青色がとても印象的でした。実物はどんなに凄いんでしょうね。イタリアまた行きたいです。

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『槿の画家 柳瀬正夢展』

武蔵野美術大学美術資料図書館1階図書館1階展示室

2008-10-24

『槿の画家 柳瀬正夢展』

この展覧会はあまり好きではありませんでした。作家というこてとではなかくて、ディスプレイが最悪でした。真っ赤に色がつけられた、角材をめちゃくちゃな感じて交差させて釘で打って壁を作って、パーティションにしてあります。関東大震災後の崩れた街をイメージしてるつもりでしょうか?そして、うるさいくらいにある、角材が全て赤で塗られているのは火災ということなのでしょうか?

何が言いたいかというと、作品が落ち着いて見れなかったです。赤い色が強すぎて、作品が埋もれちゃうし、作品全体のトーンがくすんで見えてしまうんですよね。しかも作品が漫画なのに、そんな風にしてあるから、漫画も全然死んでみてしまう。

会場デザインが本当の展示物なの?って思うくらい、会場が主張しすぎの最悪の展覧会でした。会場デザインした人の完全に自己満足ですね。

柳瀬正夢は戦前の生まれで、もともとは絵画を勉強していて、次第にに雑誌のイラストや、漫画なんかもやるようになったようです。

漫画と言うと、手塚治虫が思い浮かびます。しかし手塚治虫が活躍するのは戦後です。柳瀬は戦前、戦中と活躍した作家なので、手塚より前の世代になります。柳瀬は1930年代、読売新聞で子供の漫画を描いています。また「よみうり少年新聞」にて連載もしていました。或いは手塚も柳瀬の漫画を幼少時代に読んでいたかもしれませんね。

現代の日本の漫画文化の創世記を支えてた一人であると言えるでしょう。1930年代と言うとモダニズムの波が日本にも来ていた頃です。「読売サンデー漫画」の作品を見ると、アメリカの影響がかなり見られます。また漫画からは柳瀬自身のモダニズムも見ることができます。

子供向けの漫画だけでなく、社会風刺をモチーフとした漫画もかなり描いています。

1930年代には読売新聞社に漫画部ってのが、あったんですね。この頃に、すでにSF漫画を描いていたとは、少し驚きました。「パン太の冒険」なんかは、かなりしっかりしたSF漫画になっています。今でも、楽しく読める作品です。手塚治虫が日本の漫画の父ならば、柳瀬は祖父といえるかも知れません。

手塚治虫以前の漫画の歴史を見た気がしました。

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ピサロ展

大丸ミュージアム

2008-10-18

オックスフォード大学・アシュモリアン美術館蔵
印象派の巨匠 -家族と仲間たち-
『ピサロ展]』

ピサロです。日本では印象派の画家は人気があるので、ピサロも良く知られている画家だと思います。ピサロの作品だけでなく、印象派の先駆者と言われている、バルビゾン派のコローや、ドービニーなんかの作品も出品されていました。

展覧会は、大きく三部構成になっていて、1:ピサロと田園風景、2:ピサロと田園生活、3:ピサロ家の人たちになっていました。

1ではバルビゾン派の作家とピサロの風景画を中心に展示してありました。初期のものは、オーソドックスに丁寧に描かれています。印象派的なタッチが出てくるのは後期の風景画においてからのようです。2では風景画ではなく田園風景と題して、農民をモチーフとした作品を展示してありました。『ミレーの落穂拾い』のような感じの作品です。そして3ではピサロの子供、孫たちの作品が展示してまります。

3が結構面白かったのですが、ピサロは印象派の画家という特徴の他に、多くの優秀な画家を育てたということでも特徴があるのだそうです。実に八人の子供のうち5人が画家になり、さらに孫娘も画家になったそうです。

ピサロの作品は、それほどいいものはなかったと思います。自分がその中で気に入ったのは、娘を描いた『うちわを持つジャンヌ』が気に入りました。ジャンヌの表情がとてもいいです。凄く娘が儚く、美しく描かれていました。

今回、子供たちの作品がかなり、展示されていて、そっちの方が興味深かったです。特に孫娘のオロビィタの作品が面白かった。他のピサロ家の人とは違って、印象主義から離れ独自の世界を歩いている。中国や日本、インドの美術からインスピレーションを得て独特の作風を生みだしている。特に動物をモチーフにしたものが気に入りました。『うずくまる虎』はよかったです。完全にアジアテイストの作品です。おじいさんのピサロとは全く違う。凄く面白いと思いました。機会があれば、彼女の作品をもっと、見たいと思いました。

ピサロは一家で活躍してたんですね。ピサロの血か-。

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Art of our time

上野の森美術館

2008-10-18

Art of our time

高松宮殿下記念世界文化賞というのを知っていますか?1989年より絵画、彫刻、建築、音楽、演劇、映像の各分野から一名ずつ毎年顕彰しているものです。

今回の展覧会はその高松宮殿下記念世界文化賞が周年を迎えたということで、絵画、彫刻の受賞者の作品を集め展覧会を開催するというものでした。

自分もこの賞のことはあまり、よく知らなかったのですが、今回第一回からの作家を見ると、なかなかのものでした。1989年の最初の絵画部門ではデ・クーニングが選ばれています。この年は何故がもう一人、デイヴィッド・ホックニーも選ばれています。その後はどの年も一人なので、最初だけ特別だったのでしょうか?

世界の芸術家を対象としているので、選出されているのは、ほとんどが海外の作家なのですが、日本からも彫刻部門で三宅一生が2005年に、草間彌生が絵画部門で2006年に選ばれています。その他かなり、有名ところが名をつらねていますね。リヒター、トゥオンブリー、クリスト、ラウシェンバーグ、リチャードセラなど、上げてるときりがないのですが、メンツは凄いです。この前世田谷美術館で展覧会を行っていた、ダニ・カラヴァンもいましたね。

年代順に受賞作家を見ると、ここ20年のアートの流れが分かるのではないでしょうか?作品としては、どれも国内で所蔵しているもの中心に集めてきているので、必ずしもその作家の最高の作品が展示されているわけでありませんが、この20年を振り返るのには、いい展覧会だと思います。

今回、自分があまり知らない作家も何人かいたのですが、その中で韓国の作家が気になりました。Lee Ufanと言う作家です。2001年に絵画で受賞しています。今回展示されていたのは、白いキャンバスの真ん中に小さい四角が、筆で横に引いた感じのタッチで描かれている作品。実際には四回塗り重ねられているそうです。しかし、正に余分なものを極限まで切り落とした、ミニマルな感じでした。タイトルは「対話」です。静を見つめる中に本当の対話があるような作品でした。

韓国の作家というと、この前キム・スージャーの作品を見ました。キム・スージャーの作品とは全く違うのですが、どこか通じるものがあるような、感じがしました。極めて大雑把なレベルの話ですが。機会があれば彼の他の作品も見てみたいと思いました。

さて、他にはリチャードセラの作品なんかも面白かったかな。「フィリップ・グラスのためのゆるやかなロール」という作品でした。自分はリチャード・セラの大型の作品が好きなんですが、このコンパクトの作品も、迫力そのままにサイズダウンしたような感じで面白かったです。プードルをトイプードルにしたような感じでしょうかね。

いろんな、有名作家を並べて見れるので、割とおすすめ。それに、人気ないみたいなので、もの凄くすいてます。ゆっくり、リラックスしながら見れますよ。さて2009年は誰が選ばれるんでしょうね。楽しみです。

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オン・ユア・ボディ on your body:contemporary japanese phtography

東京都写真美術館

2008-10-17

日本の新進作家展 vol.7
オン・ユア・ボディ on your body:
contemporary japanese phtography

一般公開前の内覧会、オープニングパーティーで一足先に見てきました。新進作家にスポットを当てた企画の第7弾のようです。今回はタイトルにあるように、身体をテーマにして、新進作家を選択したようです。作家は6人、全て女性です。

展覧会のテーマと6人の作家がマッチしていない気がしました。或いはこの6人なら違うテーマでくくったほうが、意図の伝わる展覧会になったような気がします。解説では、仮想空間が強まる現代では、ますます身体に注目が集まるということでしたが、ちょっと時代にズレてしまったテーマですよね。古い感じがするし、そのテーマに新進作家を持ってくるのも、理解できないような。

展覧会の企画は、今ひとつ理解できませんでしたが、作家や作品はよかったと思います。六人の作家は朝海陽子、澤田知子、塩崎由美子、志賀理恵子、高橋ジュンコ、横溝静。塩崎由美子さんの作品はムサビの展覧会で、つい最近も見ましたが、ホログラフィーを使った作品なんかは面白くてよかったです。あと志賀さんは先週までオペラシティでも展示されていましたね。高橋ジュンコさんの作品は今回初めて見ましたが、映像の作品は現代の都市の中に一人の女性を登場させた作品でしたが、現代の今という時を感じることができるような作品で気に入りました。

12月7日まで公開してします。今活躍している、新進女性作家に興味があれば行ってみてはいかがでしょうか。

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山口啓介 浮遊家族-からだ、血管、眼房水

gFAL

2008-10-17

山口啓介 浮遊家族-からだ、血管、眼房水

東京都写真美術館に行く前に、山口啓介さんの作品を見てきました。全部で12、3点くらい出てたと思います。絵画や版画の作品もあったのですが、やはり『カセットプラント』が気になりました。音楽テープのプラスティックのケースに花を一つ入れてあります。そのカセットケースがいくつもあって、壁一面に並べられていたらり、立方体状に積み上げられてたり、ブロックにようにして作品としてありました。カセットの花も何種類のもの花を使っていていて、まるでクリスタルの中に花を閉じ込めたような感じなんですよね。

自分はオープニングに行ったのですが、あの中の花は、どうなるんでしょうか?やっぱり枯れて行くのですよね。それとも中に特殊な薬品をいれて、枯れないようにしてるのでしょうか?枯れないようにするのは無理ですよね。おそらく防腐剤なんかを入れて持ちを良くはしてるんでしょね、多分。

カセットの中に琥珀色の液体が入っているんですよね。実際には凝固しています。自然な形で凝固させているので、それぞれ微妙に形がちがって、それがカセットそれぞれの個性のようになっているようでした。壁一面にまとまった個数を並べると、社会の象徴のようにも見えたりして、面白かったですね。

山口さん、いい感じでした。機会があれば是非。

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「大琳派展-継承と変奏-」

東京国立博物館

2008-10-15

「大琳派展-継承と変奏-」

琳派を見てきました。2年前くらいに、出光美術館で「風神雷神図屏風」で宗達、光琳、抱一の三並びは、見たのですが、今回は最終的には三つ揃うようです。とりあえず、自分が行ったときは光琳のものはありました。あと鈴木其一の「風神雷神図襖」がありました。

展示変えが、結構あるようなので、かなり作品が入れ替わるようです。尾形光琳を中心とした琳派は、その始まりを、俵屋宗達におきます。光琳はこの偉大な作家、宗達の作品を数多く模写しています。そして光琳の意思は酒井抱一へ継承され、それはさらに弟子であった、鈴木其一に受け継がれて行くわけです。

鈴木其一を琳派を見るかどうかは、意見が分かれることもあるらしいのですが、抱一の弟子であった以上、琳派の流れは彼の中にも影響を与えたのは事実でしょう。

今回、気がついたのは、光琳ってのは、単なる画家ではなくて、デザイナーだったんですね。着物の柄や、塗り物や器などの、柄に光琳のデザインパターンが多く使われていて、当時のデザインカタログ見たいなのに、光琳風という感じで、図案が乗っているのです。お客はそれを見て、「今度の着物はこの柄で作って」みたいな感じで、注文していたんじゃないでしょうか?着物だけでなく、器や文具などの蒔絵のものにも、光琳風の図案がかなり使われていて、当時の人気の柄だったのがよく分かりました。

かなりの範囲で琳派の柄は認知されていたんでしょうね。おそらく、この辺りは狩野派と違う特徴のように思います。永徳風の着物とかあったでしょうか?あまり聞いたことないですね。

絵もいいですが、焼き物も良かったですね。光悦の茶碗も三つ出てたんですが、とてもいいです。「飴釉樂茶碗」なんか飴いろになった釉薬が、とてもいい色です。それに、まるでこげたように黒い色がかすれたように、混じっています。両手で包みたくなるような作品でした。乾山の作品も、かなり出ているので、陶器も割と多かったですね。

平日でもかなり混んでました。さすが琳派ですね。

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フェルメール展 光の天才画家とデルフトの巨匠たち

東京都美術館

2008-10-13

フェルメール展 光の天才画家とデルフトの巨匠たち

いやー、凄かったです。人が!連休と言う事もあったのでしょうが、人人人でした。満員電車でフェルメールの展覧会を開催しているような感じでした。

フェルメールが生涯を通じて残した作品は、わすか30数点。今回はそのうちの7点が出品されています。去年、国立新美術館で開催された、フェルメール展はたった一点だったので、凄いと言えば凄いです。一応過去最多の出品数のようです。全体では約40点の作品が出品されています。

今回、作品保護のためフェルメールの『絵画芸術』という作品が出品中止になっていました。代わりに『手紙を書く婦人と召使い』という作品が出品されています。なので『絵画芸術』を期待して見に行く人はご注意を。

主催は朝日新聞社とTBSです。日本の展覧会の仕切りって新聞社が主体なんですよね。美術館はただの箱。ちょっと悲しいですよね。

39点しかないのに、混んでいるのでもの凄く見るのに時間がかかりました。それから東京都美術館は上に上に階段登って上がって行かないとならないんですよね。最終的には三階まで上がらないといけないので、結構面倒くさいです。

しかし、あんな状況でも絵画を楽しめるなんて、日本人って凄いですね。さらに日本人っ展覧会好きなんですね。

展覧会はいわゆる、巨匠の展覧会ですね。フェルメールは勿論素晴らしいと思いますが、同じような作品ばかりなので、それほど面白くなかったです。一点あげるなら、『小路』が気に入りました。フェルメールの作品ってほとんどが、小部屋で向かって左の窓から光が差し込むってパターンです。どれも人物が中心に描かれているのですが、『小路』は風景が主題の作品で、彼の作品としては目新しく感じました。でもフェルメールは、窓からから光が差し込む室内を描くのが得意だったんでしょうね。

フェルメールの作品は7点しかないので、当然ながら、会場にはフェルメール以外の作家の作品の方が多く展示してあります。自分はこっちが気に入りました。デルフトはフェルメールの生まれた都市です。この都市にはフェルメールの他にも多くの画家がいました。今回はその作家たちのの作品が出品されています。

ヤン・ファン・デル・ヘイデンの作品は、技法の変化による作品の変化がわかって面白かったですね。『アウデ・デルフト運河と旧教会の眺望』と『アウデ・デルフト運河から見た旧教会の眺望』の二作品は、同じを風景を、同じような構図で15年違いで描かれたものですが、この二作品をみると技法の変化による作品の違いが比較できます。

カレル・ファブリティウスの『歩哨』も気に入りました。とても不思議な絵でした。自分には、疲れた果てた兵士が座っているようにも見えましたし、或るいは、座ったまま死んでしまった兵士と言う印象を受けました。ちょっと気になる作品でした。

どうしても、フェルメールが見たいと言う人以外は行かなくていいと思います。他の美術館で、ゆっくりしたほうが、せっかくの休みを有意義に使えますよ。

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アヴァンギャルド・チャイナ―〈中国当代美術〉二十年―

国立新美術館

2008-10-12

アヴァンギャルド・チャイナ―〈中国当代美術〉二十年―

中国の現代美術を見てみようってことで、行ってきました。中国における現代アートは1980年代に入ってモダニズムもポストモダニズムも時差なく一気に外国から入ってきて、本格的に動き出しました。これは要するに、それまで、内戦とも言える文化大革命があったため、ある種鎖国状態になっていたのです。その点からして中国の現代アートの歴史は独特なものがあると言えると思います。

さて、展覧会です。正直少しがっかりしました。もう少しいい作品があるかと思いましたが、そうでもなかったですね。展覧会は1980年から、2000年くらいまでの、約20年間の中国の現代アートの流れを追った展示になっています。作品全体から受ける印象はかなり、重くて暗いです。その上、解釈が難しい。文化大革命そして天安門事件など、中国社会が激しく変化したように、その作品もそれらを反映しているのか、かなり、重苦しい表現があります。特に2000年以前、1990年代の馬六明(マ・リウミン)や、ジャン・ホァンなどの身体表現を使った作品はかなり、エグイものがありましたね。

しかし2000年以降の作品は、それらのような、重さやエグさはなくなり、もっと自由な開放された作品に変化しています。これは、中国国内の変化、そして中国人の意識の変化の現われでしょうね。

今、現在、中国のアーティストは世界でかなりの評価を受けています。ホップアート系の絵画がマーケットで受けているようですが、今回の展覧会でも現在の中国のホップアートへの流れにつながっていると思われる、ポリティカル、ポップとシニカル・リアリズムとされる作品が展示されています。

これらの作品は比較的、分かりやすいと思います。ワン・グワンィーやジャン・シャオアガン、シニカル・リアリズムならファン・リジュンの作品が見ることができました。ジャン・シャオアガンの作品は家族をテーマにしているのですが、「血縁」のシリーズでの、家族の表情は、無機質な表情と、視線があいまいなその目で、どことなく暗いイメージがあります。さらに、画面から感じる不安感のようなものは、ある意味現代の日本の作家、奈良さんなどと通じるようなものを感じました。

個人的にはポン・ユゥとスン・ユァンの「老人ホーム」という作品が気に入りました。これは10㎡くらいの部屋に、等身大の超リアルに作った、様々な民族の老人が車椅子に乗ってランダムにおかれています。リアルすぎて気持ち悪いくらいでした。この老人たちの乗った車椅子が、自動で動くようになっているんです。これが凄い。それぞれがランダムに動くのですが、そのままでは当然ぶつかってしまうわけです。しかしセンサーがついていて、障害物を認知して避けて動くわけです。なので、本当に老人が、車椅子を動かしているみたいなんですよ。この仕掛けが気に入りました。なので、芸術作品として気に入ったわけではないんですけどね。

連休の中日だったんですけど、会場は空いてました。まあ、人気はないでしょうね。

でも、逆にゆっくりは見れました。出口付近の壁に止まっている蚊も、面白かったかな。

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キムスージャ展 「A Mirror Woman : The Sun & The Moon」

資生堂ギャラリー

2008-10-11

キムスージャ展 「A Mirror Woman : The Sun & The Moon」

汐留の後、銀座に行きました。キムスージャという作家の展覧会を見てきました。この作家は、今回初めて見ました。韓国出身で現在ニューヨークに住んでいる、女性の作家です。表現方法は写真、インスタレーション、映像、パフォーマンスと多岐にわたっているようです。今回は2点、展示してありました。一つは映像の作品で、もう一つは写真の作品でした。

作品の点数が少なかったので、判断が難しいですが、自分としてはいい感じでした。映像の作品は四角い部屋の四つの壁のそれぞれスクリーンが用意されて、そこに映像が同時に流されています。どれも海の映像が流されています。中央に立つと、海に囲まれたような感じになります。向かい合うスクリーンが対になっているようで、太陽と月、そして、潮が満ちるものと、ひいている映像が対になっています。実際に見た時はその対比には、気がつかなかったのですが、作品いは凄く広く大きな印象を受けました。波の打ち寄せる映像を見ていると、とても心が和みました。四つの映像とも夕暮れや、朝焼けの時間帯のものだったので、優しく、微妙な光がとても綺麗なグラデーションを作っていたのが印象的でした。対極にある二つのものは決して切り離せないもの、そんなイメージを抱きました。

とても静かな空間でした。銀座の喧騒に疲れたら、よってみるといいかもしれません。

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村野藤吾 ・建築とインテリア ひとをつくる空間の美学

汐留ミュージアム

2008-10-10

村野藤吾 ・建築とインテリア ひとをつくる空間の美学

村野藤吾は戦前から戦後にかけて、活躍した建築家です。戦前から活躍しているので、かなりの数を設計しています。馴染みがありそうなとこだと、日生劇場、新高輪プリンスホテルの高層客室棟などを作った人です。新歌舞伎座なんかも設計していますが、こちらは大阪なので、自分にはあまり馴染みがないですね。大阪に行くことがあったら見てみたと思います。丹下健三より約10年先に生まれていますね。丹下健三が『官』の建物ならば、村野は『民』の建物だったようで、商業ビルなどを多く手がけた建築家だったようです。

面白かったのは、戦前、豪華客船の客室などの内部を設計しているところでした。「あるぜんちな丸」と「ぶら志゛る丸」のアール・デコ的な内装が印象的でした。この客船が作られたの1938年頃だったのですが、1930年代と言えば1933年に朝香宮邸が建築されていて、アール・デコの建築の流れがあったことが分かります。また、村野氏はこの客船では単にアール・デコの影響をだけでなく、柳宗悦の民芸運動の影響も受け、伝統工芸や、伝統美を生かした設計をしています。しかし、この船は戦中、軍用船として使われて、ともに現存していない。

そして、特に自分が気に入ったのが、谷村美術館ですね。これ他の彼の作品とはちょっと趣が違います。コンクリなのに、とても有機的で自然の中にすんなり溶け込んでいます。コンクリというと安藤忠雄を思い出します。例えば21_21デザインサイトの建物もコンクリですが、それとはちがってこっちはもっと泥臭い感じがします。でもそれは悪い意味ではなくナチュラルでモダンのような感じです。内部もまるで天然の洞窟のようで、個性的なデザインだと思います。谷村美術館にいつか是非行ってみたいですね。実物を見てみたいです。

建築に興味がない人でも、デザインに興味があれば楽しめると思います!

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トレース・エレメンツ ─ 日豪の写真メディアにおける精神と記憶

東京オペラシティアートギャラリー

2008-10-8

トレース・エレメンツ ─ 日豪の写真メディアにおける精神と記憶
Australia-Japan Strategic ties for the Arts Initiative 2006-2008
Trace Elements: spirit and memory in Japanese and Australian photomedia

分かるような。分からないような展覧会でした。簡単に言うと、日本とオーストラリアの写真、映像の作品を、集めた展覧会でした。

シドニーのパフォーマンススペースとの共同企画ということで、オーストラリアと日本と言うテーマの縛りはあったわけです。その上で写真をテーマに持ってきたようです。「トレース・エレメンツ」には「痕跡の要素」とか「微量元素」とかいう意味があるそうです。

記憶は、ある種の痕跡とするなら、写真や映像で、その痕跡を捕らえることができる。それを再構築して、存在を感じるみたいなところでしょうか?一口に写真、映像と言っても現代において、その表現は様々なものがあります。そのような、日本とオーストラリアの様々な表現を集めて見た感じですね。

アレックス・デイビィスのヴィデオは、面白かった。単純に遊べました。あらかじめ作家用意した、様々な映像を今リアルタイムで写している映像と合成する作品。

展示室に入ると壁に覗き穴があるので、観覧車はそれを覗きます。すると、そこにモニタがあって、そこには自分がいる部屋の映像がリアルタイムで写されている。モニタを覗いている自分が背中から移されている。すると背後から人が来るわけ。別の観覧車が入ってきたのかなと思って振りふくと誰もいない。つまりそれが用意された映像。モニタの中では確かに自分の後ろに人がいるが、勿論現実にはいないというもの。この合成される映像も様々あって、モニタを覗きながら、足を後ろに伸ばして、その人にタッチしようとしたりして(勿論触れない)、遊ばしてもらいました。

まあ、気になった作品はジェーン・バートンの写真かな。モノクロの合成写真。デジタルでやったと思います。女性のヌードと木の枝の写真を合成してたりします。それが妙にマッチしていて、とてもエロティックでしたね。あとは志賀理江子かな。『リリー』は面白いかも。セーターをお腹のところで広げると、そこに闇が広がっているという、イメージは生命の生まれる神秘の世界を表現しているようにも読み取れるし、人間社会の闇の広がりと見ることもできるようなイメージをも感じさせます。

オーストラリアの作家の作品ってあまり見たことなかったですね。うん。

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ジュリアン・オピー Julian Opie 展

水戸芸術館
現代芸術センター

2008-10-1

ジュリアン・オピー Julian Opie 展

水戸芸術館に行ってきました。車で東京から行くと、宇都宮美術館と同じくらいの時間、距離でした。はっきり言うと、美術館としてはあまり好きではありませんね。ちょっと中途半端な気がしました。展示室は、基本的には外光を多く取り入れる感じのホワイトキューブなんですが、全体な建物がいまいちでした。

ここ芸術館とあるように美術館ってわけではないのです。四角形の敷地に芝生の庭と建物、それからなんだかわけのわからないネジネジの塔が立っています。展示室は建物の中にあるのですが、この中にはコンサートホールも入っているし、劇場もあって、さらにロビー上部にはパイプオルガンがあったりして、いろいろな施設が一まとめにされているのです。展示室のすぐ前がコンサートホールの入り口だったりして、なんだか落ち着かないし、安っぽい感じがでした。

さらにネジネジの塔。シンボル的な感じなんですかね。中に登ることができます。一応展望台なっています。一番上に登ると窓があるんですが、これが小さい穴なんですよ。なんので外が見にくいんです。展望スペースは上はガラス張りとかにできなかったんでしょうか。まあデザイン的にNGだったんでしょうが、中途半端でした。高さが100mあります。なので一応街を見渡すことができます。まあ、時間があれば登ってもいいかな。自分ら以外は誰も登っていませんでしたが。

でも、庭は街に位置するわりには広くて快適だし、石をぶら下げたオブジェに水が流れる滝はよかったので市民の憩いの広場にはなっているようです。

さて展覧会です。ジュリアン・オピーの作品は簡単に言っちゃうとポップアートですね。わかりやすいので、広く受けると思います。

最初の展示室にはイラストタッチの肖像画敵な作品が展示してありました。バストショットの構図でカラフルで、コミックのタンタンみたいな感じの作品でした。自分が気になったのは顔はただの円で体を輪郭のみで描いた、フレームのような絵が気になりました。これは石に描いたものや、石に掘り込んだものがあるんおですが、顔がないのにその人が表現されているんですよね。最小限の描写なんですが、それでも、それぞれの作品でモデルの個性がしっかり出ていました。とても面白かったです。また、シンプル化されて描かれた人物が動く作品もいくつか転じされていました。液晶画面の中で歩く作品や、見る角度によって絵が動く作品なども同時に展示されていましたね。これらの作品はある種、絵というより記号と言う印象でした。『前進するスザンヌ』という作品が気に入ったのですが、CGの作品でしかも記号みたいな造形であるにもかかわらず。その作品からは何故か人間くさいものを感じました。歩き方、そして記号されがらも最小限に表現された、特徴が妙に生生しかった。

さて、この後からは、モチーフがガラっと変わって風景になります。これも液晶画面を使って動く風景をCGにて描いてあります。日本八景と題されたシリーズでは風にそよぐ木々なさざめく水面が動く作品を映像絵画で表現してありました。

自分はこれらのシリーズとちょっと違うのですが、フランスの田舎の風景を黒い線だけで描いたドローイングの作品が好きになりました。これもコンピューターフィルムの作品で動く作品です。田園風景をが横にゆっくり流れていく、中で遠くの鳥が動いたりと景色が動くのですが、とても都会的な作品だと思いました。現代的と言ってもいいかもしれません。

全体的にデザイン的な作品なのでした。ある種の迫力はないですが、部屋に飾りたいと思う作品でした。

ジュリアン・オピーの作品は初めて見ました。印象としてはソフトでとてもスタイリッシュな作品ではないでしょうか。それだけに見る人に優しい作品だと思いました。

実はこの後、おまけがあって、村上史明という作家の作品が二つほど展示してありました。これがとても面白かった。でもこの作品は、空いてる状態じゃないと見ても面白くないです。何故なら一度に一人しか見れないからです。

作品は天体望遠鏡と顕微鏡を使ったもの二つでした。両方とも映像作品なんですが、これ凄く面白かったです。天体望遠鏡は中に映像が仕込まれていて、望遠鏡を覗いて向きを変えるとそれに合わせて映像も動くようになっています。実際には部屋の中にいるので本当にレンズを通して見ているわけではなくあくまで映像なわけです。さらに手元の回転ハンドルを回すと映像に近づいたり離れたりと、ズームができます。最初海が見えているのですが、ハンドルをグルグルまわすといろんなものが見てくるわけです。最初は海が見えていて、ハンドルを回すと建物や街などが出てきて、まるで海の向こうの、世界まで見えるような感じの、作品になっているのです。これ是非体験してみて欲しいです。

もう一つは、顕微鏡なんですが。顕微鏡の対物レンズの下に、1cmくらいの丸い画面あって、そこに映像が流れているわけです。これを、顕微鏡でみるわけです。この映像、実はバレエを踊る人なんですが、最初は引いて映した映像になっていて、黒い点が動いていて、何かの生物を見てるのかと思うわけです。そこから、だんだん映像が、寄って行くと、踊っている人間を真上から映してしることが分かります。ミクロの世界で人を見ているわけですが、人間の存在と言うものを、感じることができる作品で、とてもユニークだと思いました。こちらの作家との出会いの方が、強く印象に残りました。

水戸芸術館は思ったほど、よくはありませんでした、展示している作家はなかなか面白い人を選んでいると思います。実際ここは美術館よりも、コンサートの方がメインで動いているような感じでした。そっちの方が儲かるのかも知れませんね。実際、アートよりもコンサートの方が一般の人にはニーズがあるんでしょうね。

近くに近代美術館もあるようなので、次回はこちらも行ってみたいと思います。

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