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現代美術への視点6 エモーショナル・ドローイング

東京国立近代美術館

2008-9-15

現代美術への視点6 『エモーショナル・ドローイング』

東京国立近代美術館に行ってきました。久しぶりですね、多分。企画展は『エモーショナル・ドローイング』と題した、現代美術の作家の作品を、展示してありました。そうですね、ハッキリ言っちゃうと、奈良さんで人集めたかったのかな、って感じでした。展示の意図が自分にはよく分からなかった。伝わらなかった。とにかく奈良美智を中心において、あとはアジアの作家を、周辺に置いたような展覧会でした。

個々の作品は、いいものもありました。展覧会としては、フォーカスがあまかったのではないでしょうか?映像の作品は、あまり好きではないのですが、辻直之の作品は、よかったです。二つあるのですが、『エンゼル』がとくに好きになりました。木炭ドローイングによるアニメーション。だからモノクロで朴訥な感じが逆に伝わりましたね。全体にゆっくりしてしてるんですよ。最近の映像ってパッパッパって切り替わる感じのものが多くて、見てるいるだけで疲れちゃうんですが、彼の作品はスローな感じでいいです。淡々と映像が展開していくんですが、いつのまにか最後まで見てしまいました。強烈なインパクトで、一瞬で人をひきつける力は、ないのですが、ジワジワと染み込んで来るような作品です。

あと、坂上チユキもよかった。ペイズリー柄みたな細密画を紙に鉛筆と水彩で書いてあります。これが恐ろしいくらいに細かい。だからとても綺麗なんです。さらにジッと見てると、それがタイトルと呼応していろいろなものに見えてくるんですよね。時に細胞の断面のようであったり、単なる装飾のようでもあり、見るたびに、新しい発見があるんですよね。一瞬、綺麗な柄、なんですが、しっかり来ると自分なりの世界が見えてくるですよ。なかなか面白かった。

他の作家も、いろいろ個性的な人が多かったですね。アジア出身の作家の作品は以外に、見ていないので、けっこう楽しむことはできました。アディティ・シンなんかは鳥を群れを、大きな紙に、とても小さく描いているんです。だから紙の、ほとんどが、余白なんですが、そのために、僅かに描かれたその鳥の存在感が強く出てるんですよね。描かないからこそ、絵が強く見えるという逆転の発想が面白かったですね。

企画展はそこそこでしたね。でも東京国立近代美術館のいいところは、常設と工芸館も見れてしまうところです。常設展はかなりのボリュームがあるので、何回行っても飽きないと思います。展示代えもしてるので、見てないものも見れると思いますよ。

そこで思わぬものに出会いました。夏に行った、碌山美術館の荻原守衛の作品です。「女」がありました。これ以前にも、ここで見たような気がします。その頃は、絵画に興味があったので、彫刻は流見だったので、記憶に残っていなかったんだと思います。荻原守衛は、日本の近代彫刻において重要な作家でした。「女」以外の作品も何点か展示してありました。おそらく他にも所蔵していることと思います。やはり、ロダンの影響ありますね。他の作品にも、それは見られました。

日本の近代美術を、収集しているのですが、日本の作家以外の作品も展示しあります。今回はクレーなんかの作品も展示してありました。日本の近代の作家の作品はほとんどコレクションしているので、有名人ばかりで、ある意味企画展より面白いんじゃないかと思います。草間さんの作品も一点出てました。あと写真もあります。今回、石内都と東松照明の作品がありました。かなり荻原守衛との出会いも含めてかなり楽しめたので、しばらくまめに来てみようと思います。

さて、今回は工芸館にも行きました。全く人がいませんでした。確か2年くらい前に行ったときもそうだったと思います。全く人気がないですね。展示してあるのは工芸品ですが、国宝クラスの上物があるし、作品自体は決して古臭いものばかりでなく、デザイン的にも斬新なものもあるし、ガラスの作品なんかは女の子が喜びそうなものがあると思うのですが・・・。色も凄い綺麗で可愛いですけどね。工芸ってのがよくないのかもしれません。クラフトとか名前変えると結構人が来たりするんですよね。まあいいです。貸切なんで、ゆっくり、じっくり見ることができました。魯山人などの焼き物をはじめ、漆、ガラス、塗り物、陶器、染物などの日本の工芸全般、しかも超一級品を見ることができます。

Rapan また館内の椅子が面白い。これも工芸館なのでこだわっていて、ただの椅子ではなくて、建築家なりデザイナーが製作した、名のあるもを実際に使用してあります。そこで、また面白いものを、見つけました。それらの椅子の一つに、『ラパン』があったのです。この椅子、実は安曇野ちひろ美術館の子供の遊戯場にもあったのです。この椅子はウサギをモチーフにしていて、背もたれが耳になっていて、よーくみるとウサギの顔になっていると言う、とても可愛い椅子です。日本の代表的な建築が中村好文の作品として有名な椅子です。基本的は子供用で大人が、座るのには、ちょっと小さいのですが、家にも一脚欲しいくらいです。シンプルでいて機能性もありつつ、とても可愛く完成度の高いデザインだと思います。見たことない人は一度ぜひ御覧ください。

そんなわけで、この美術館は、お金なくても結構楽しめますね。工芸館は、美術館から歩いて5分くらい北の丸公園の前を通って、千鳥ヶ淵の傍です。一つの美術館に、いくと二軒行けちゃう、みたいな感じですね。お得だと思います。しかも工芸館は、貸切状態なので、静かでいいです。のんびりできます。

絵画もいいけど、クラフトも面白いですよ。

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