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2008年9月

スタジオジブリ・レイアウト展

東京現代美術館

2008-9-27

スタジオジブリ・レイアウト展

凄い人でした。さすが宮崎駿ですね。激混みでしたよ。あんな、誰もいかない場所に作った美術館なのに、これほど人が訪れるのは、スタジオジブリ展だけじゃないでしょうか?去年もジブリ展やって今年もです。味しめたった感じですね。来年も夏休みはジブリやるのでしょうか?

なんかネガティブな感じで、話始めましたが、結論から言うと、見に行ってください。基本モノクロの鉛筆書きで、色があっても、色鉛筆で簡単に色をつけてある程度。でも、本当の映画よりも心にきましたね。『ラピュタ』や『もののけ姫』なんか、その世界に引き込まれるくらい絵が語りかけてくるんですよ。止まっている絵が動いてるんです。本当に生きてるんです。なーんて思ってしまいました。駄目なのかなー。感性が幼稚なのでしょうか?横浜トリエンナーレより100倍おすすめだと、自分は思います。

さて、もう少し細かく。展覧会としては、まあ意味は何もないですね。ただ宮崎さんの作品を並べただけですから。もっとも、それで充分なんでしょうけど。なので展覧会としては面白くはないですね。ただ、そこに展示されている作品はさすがでしたね。

今回テーマはレイアウトとして描かれたものを作品としてならべてあります。このレイアウトというのはその場面の設計図的なもにあたります。なので必要なことが全て書き込まれています。したがって文字で書き込みがかなりしてあったり、実際のセル画とは多少異なりがあったりします。アニメの細かい製作手順は知らなかったので、この辺りの解説は大変面白かった。

さてレイアウトは、ほぼ全部の宮崎作品から展示されています。「魔女の宅急便」は一枚しかなかったけど。ばらつきはあるものの、ナウシカからポニョまでのレイアウトを見ることができました。

レイアウトっていうと、下書きみたいなラフをイメージしていたんですが、実際にはほぼ完成していて色が塗っていない、と言った感じのもので、それだけで、もう充分完成してるんですよね。当たり前なんですが、絵が上手い!そしてとても細かいところまで書き込まれているんです。例えば道の両脇に生えている植物なんども、実際の植生を調べて、描かれているんですよ。何となくそれっぽく見える、みたいなレベルじゃなくて現実をちゃんと再現しているんです。なるほどと思いました。そこまでのこだわりが、高いクオリティーを生み出しているわけです。

今回1300点以上のレイアウト画が展示されているのですが、ゆっくり見ていると、3時間は楽にかかりますね。普通の絵画の展覧会だと、割と人が流れるんですが、ジブリの作品はほとんどの人が見てるので、どのレイアウト画見ても知ってるわけです。それでみんな、それをみながら思い出を話したり、あらためて自分の好きな場面を眺めたりするので、それだけでも時間がかかるのに、1300点以上の作品があるので、物凄く見るのに時間がかかります。その上激混み。ジブリ大儲けですね。勿論最後には特設のキャラクターショップが開設されています。

しかし、ながら丁寧にCGを使わないで手書きで書かれた、レイアウト画は、それだけでも質感が高く、そこに描かれていること全てに意味があり、それを読み解いていくことは、とても面白く、ある意味芸術作品と言えるんじゃないかと思います。映像では流れてしまう一瞬の場面ですが、レイアウト画として一枚の作品として見ると、違った意味を持つようにも思えるわけです。それだけに、一枚一枚見る時間がかかってしまうわけです。

自分が感動したのは、実は映画ではなく、テレビシリーズ、コナンとルパン三世。ルパンはカリオストロの城ではありません。テレビシリーズです。カリオストロの城のときはまだジブリがなかったと思います。でもジブリって枠じゃなくて、宮崎作品というこなら、ルパン三世 カリオストロの城が一番好きです。

アニメは日本の文化ですよね。アートについて難しいことを言う専門家に人に見てもらいたいですね。メイドインジャパンでこれだけ人を集めることができるのに、無視はないと思うな。所詮はアニメはサブカルなんですかね。

素直に楽しむのも、ありです。宮崎さんの優しい作品に触れたい人にはおすすめです。そして宮崎作品のベースにある深いメッセージを考えて見てください!

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落下の王国 The fall

シネスイッチ銀座

2008-9-23

落下の王国 The fall

凄くいい作品でした。絶対おすすめです。でも東京ではたった4館でしか上映していません。残念です。日本ではお金をトブに捨てるような映画を一杯作っているのに、この映画がたった4館でしか見れないのはとても理不尽な気がします。

多分、泣きます。ぜひカティンカ・アンタルーを見てください。主人公のスタントマンと絡む女の子役なんですが、これが物凄くいい。可愛くて、最高の女の子を演じています。そしてターセムの作る美しい映像。この二つにやられました。最高の芸術作品です。

邦題は「落下の王国」ですがオリジナルは英語でThe fallとなっています。映画を見終わって考えると、やはりオリジナルの題の方がぴったりすると思いました。落下の王国ではちょっと浅いです。色んな意味での落下がこの物語のキーワードになっているのでやはり、The fallがしっくりくる気がします。落下の王国だと違うイメージを持って映画を見てしまうでしょうね。

監督はターセム。ジェニファーロペス主演で製作した、「ザ・セル」でデビュー。幻想的な世界をすばらしいイマジネーションで映像化しました。そしてコスチュームデザインでアカデミー賞を受賞した経験を持つ、石岡瑛子が衣装を担当。

世界20各国以上で、ロケをして、4年の歳月を費やして作られた、映像は、素晴らしいの一言でした。数々の世界遺産が出てくるのですが、それがさりげなく舞台として使われています。実に贅沢な映画です。

世界の美しい舞台はさまざまな文化を一つにつなぎ、グローバルな世界観をそこに見ることができます。そして一人の少女と怪我をしたスタントマンのやり取りは、単に表層的な感動を呼ぶだけでなく、多くのメッセージを読み取ることができます。映画を見終わった時、原題をあらためてみると、そこからいろいろな思いが広がっていく、味わいの深い作品となっています。

月並みですが、本当に大人でも子供でも楽しめる作品になっています。

4館しか上映してないので、見に行くのが不便ですが、是非見て欲しい映画です。そんなに映画を見てるわけではないですが、今年見た映画の中では一番でした。

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舟越桂 夏の邸宅 アール・デコ空間と彫刻、ドローイング、版画

東京都庭園美術館

2008‐9‐23

『舟越桂 夏の邸宅 アール・デコ空間と彫刻、ドローイング、版画』

旧朝香宮邸に行ってきました。そうです、現在は東京都庭園美術館と呼ばれているところです。今回は、展覧会も目的だったんですが、やはり、日本に残っているアールデコ建築の建物として、価値のある朝香宮邸を見るというのも、目的の1つでした。

アール・デコとは、アールヌーヴォーに続いて、1910年後半から1930年代に流行した、装飾の1つの傾向を指して、そう呼んでいます。ある種の特性はあるものの、一様でないので、1つの様式とはされてはいません。キュビズムや、バウハウスや、古代エジプト美術、東洋美術など、様々なものからの影響が指摘されています。

凄く、おおまかに言うと、アールヌーヴォーが、植物などをモチーフにした、有機的で、曲線の多い装飾であるのに対して、アール・デコは、直線的で、幾何学的と言えるでしょう。実際、庭園美術館の建物は、複雑な装飾はなく、幾何学的で、簡素な外観であることが見て分かります。曲面部分が、あるものの、基本は直線で構成されています。でも建物の中に入ると、細かいところには、植物をモチーフにした有機デザインもありました。例えば、天井の照明のガラスの植物、松ぼっくりが彫られていました。ブドウかな!?自分は松ぼっくりだと思いました。

二階の書斎は、部屋が円形で、その中央に幾何学的なデザインのデスクが、作りつけで配置されていて、このあたりなんかも面白いデザインだと思いました。

さて、展覧会ですが、舟越桂は、小説「大地の子」の表紙に彼の作品が使われてことでし知りました。かなり前のことですよね。2000年以前だったと思います。その頃の自分の記憶では、木彫で、とてもリアルに、人物を彫り、さらに、それを綺麗に色付けする、作家だと認識していました。ところが、今回見に行ってみて、全然、抽象的な作家であったことを知りました。1980年代くらいは確かに、普通に人を作っていたみたいなんですが、その後、だんだん、抽象的な方向に、動いて行ったみたいです。

今回、スフィンクスシリーズがいくつか展示されていましたが、何か凄いですね、デビルマンを、思い出してしまいました。他の作品もデーモンみたいに思えてしまうのは、芸術のセンスがないからなんでしょうね。ははは。

とくに「戦争をみるスフィンクスII」なんかは、デビルマンみたいでした。スフィンクスと言えば、人間の顔を持ち、身体はライオンというものです。でも、舟越の作品は、顔が男で身体が女性のようにみえます。しかし、スフィンクスシリーズには、さらに下半身まで製作されたものがあります。それは「森に浮くスフィンクス」と言う作品ですが、その作品では、下半身には、男性性器があります。ということは、両性具有なのでしょうか?

ここで、さらに、しつこくデビルマンを出すと、デビルマンとは人間と悪魔の合体したものです。ということは、舟越の作品から、デビルマンをイメージしたのはあながち間違っていない気もします。自己弁護ですかね。

しかし、スフィンクスシリーズは、どれも、哀愁を漂わせながら、遠くを見つめています。その存在は、人間の悲劇性の象徴のように思えます。それだけに、無言でたたずむその胸像からは、多くの思いが伝わってきて、いつまでも見つめてしまいました。或いは、人間の今を嘆く、神話の巨人のようでもありました。その巨人の優しい瞳は、悲しみで一杯になっている。そんな風にも、考えました。

自分が、気に入ったのは「ピノキオ」と「水に映る月食」、「ピノキオ」は首がバネで作られていて、その首をがっくりと折った状態で立っているんですが、人間になりたいけど、なれない、人間の子供と違う、ピノキオの疎外感を強く感じる作品でした。分かりやすかったから印象に残ったかもしれません。作品自体も可愛らしさのあるものでした。

「水に映る月蝕」は、見た感じが好きでした。鏡もちみたいな、量感のあるお腹が、とっても気持ちよさそうで、感覚的に引かれました。そして、背中で交差する手。舟越の作品特徴の1つには、身体に対して、手を別のもののように、くっつけてある作品が多い点があげられると思います。この作品でも手は背中にくっついています。まるで羽のように。この作品の女性が妊婦であるなら、背中の手は羽ばたく羽で、それは未来へと手を伸ばしているってことなのではないでしょうか。ようは生命ですね。生命誕生、それが感じられたから、気に入ったのかもしれませんね。

もう1つ思ったのは舟越の作品はモリディアーニの人物画に似ているような感じがしました。勿論、モリディアーニの人物は、眼に瞳がなく、もっと彫刻的です。しかし、首の長い点、そして、表現は確かに反対でありますが、彫刻から、絵画へ行ったモリディアーニ、そして、ドローイングから彫刻を作っていく舟越、なんだか切り替わる中央の地点では同じであるんじゃないかと考えました。どうですかね?

庭園美術館はその名のとおり庭園があります。庭園に入るだけなら\200円だそうです。美術館の後は庭園でもぶらぶらしてのんびりできるます。都内にありながら緑の多い美術館です。時間があれば、庭園も見てくださいね。

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スターウォーズ 「THE CLONE WARS」

渋谷TOEI

2008-9-20

スターウォーズ 「THE CLONE WARS」

スターウォーズのアニメ版です。内容としてはエピソード2とエピソード3の間の時間のサブストーリーとなっています。一応スターウォーズの作品なのですが、実写版でないこと、スト-リーがサブ的な小エピソードを扱ったものということもあって、あまり日本では話題になりませんでしたね。アメリカでどうかはちょっと分かりません。しかも、この夏日本には強烈なアニメがありましたからね、そうです「崖の上のポニョ」です。完全に脇でしたね。この映画がやってることを知らない人も多かったかもしれませんね。

自分はスターウォーズシリーズを全部見ているので、何となく見に行きました。それほど、悪いできではなかったとは思いますが、メインの作品からすると、実写でもないし、ストーリーもサブ的なものなので、正直、見ごたえはないですね。でも、CGなんですが、実写の役者のイメージを残す形で描かれているので、実写のイメージから思ったほど違和感はなかったです。内容的にもアナキンが弟子を取ると言う設定も面白いとは思いました。ジャバ・ザ・ハットの子供が出てきたり、マニアックなファンならそれなりに楽しめるところもありますが、アナキンの弟子の少女のキャラ設定が、いまいち、はまっていなかったです。名前もアソーカ・タノとか言うんですが、何かパッとしないです。

あと、絵のタッチがアメコミ系なんですよね。自分はどうもあの幾何学的なラインがなじめないんですよね。アメリカ人にはいいんでしょうけど。今後もサブストーリー的な作品が製作されるんでしょか?今回の結果によるんだろうけど、アメリカではそこそこヒットしたのかな。DVD化すれば子供には受けるかもしれませんね。

スターウォーズの大ファンなら見に行ってもいいかもしれません。逆に失望する可能性もありますが、あまり期待せずに、おまけストーリーを見に行くつもりで行けばいいと思います。もしこれが単体の映画なら自分は行かなかったと思いますね。

スターウォーズは残りの三作は、やっぱり製作されないのですかね。して欲しいな。無理ですかね。

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英国ヴィクトリア朝絵画の巨匠 ジョン・エヴァレット・ミレイ展

Bunkamura ザ・ミュージアム

2008-9-20

英国ヴィクトリア朝絵画の巨匠 ジョン・エヴァレット・ミレイ展

ミレイです。19世紀のイギリスの画家です。19世紀にはフランスに『落穂拾い』で有名なミレーがいますが、それとは別人です。

今回の目玉は「オフィーリア」なんでしょうね。この作品は夏目漱石の「草枕」の一説にも出てくるということで、漱石がイギリス留学時代に見ている絵画としても日本では知られています。正直綺麗でした。溜息がでるくらいでした。さすが天才画家といわれるだけあって、とても上手いです。そしてとても丁寧に書かれていますね。職人的な感じすらありました。本当に生きてるように見えました。

この作品には多くの花がさりげなく描かれていますが、その一つ一つには意味があるそうです。例えばバラは愛を表し、ケシは死を表しているというように、その花の花言葉に意味をおいています。

後半風景画も展示してあったのですが、肖像画を含めて、人を描いた作品が多く展示してありました。女性を描くのがとても上手い作家ですね。とても綺麗で、魅力的に見えます。女性の美しさを表現するのが得意だったのかもしれませんね。

自分は「オフィーリア」よりも「初めての説教」と「二度目の説教」という二つの作品が気に入りました。この作品は連作のような作品で、一人の赤いコートを描いた女の子を描いた作品です。「初めての説教」では礼拝で、大人のように、その場にふさわしい態度を取ろう努めている場面を描いてあります。そして「二度目の説教」では、その女の子が疲れて寝てしまっているところを描いています。つまり、その時とその後みたい対の作品になっているのですが、これがとても可愛いです。「オフィーリア」でもいいましたが、とにかく女性を描くのは上手いです。この絵みてると思わず微笑んでしまいます。是非見てみてください。

19世紀といえば、絵描きはまだまだ自由な時代ではく、肖像画を描く時代でした。ミレイも多くの肖像画があるのですが、女性の肖像画に関しては明るいものが多いです。肖像画というと、権威的で威圧的な重々しいものをイメージしますが、ミレイの女性肖像画は、それらとは違うように感じました。かなり人気があるようでした。自分が見に行ったときは土曜日で九時まで開館していたのですが、それでもかなりの人でした。

女性にはおすすめかな。

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会田誠 展 「ワイはミヅマの岩鬼じゃーい!!」

ミズマアートギャラリー

2008919

会田誠 展 「ワイはミヅマの岩鬼じゃーい!!」

ミズマアートギャラリーに行ってきました。中目黒です。駅からは、本当にすぐです。初めての時は駒沢通りからアプローチした方がいいかも。

さて会田誠です。タイトルがキレてますねー。ドカベン知らない世代だと、意味が分からないでしょうね。タイトルは好きです。作品は両手、両足が切断された少女の絵『犬』シリーズが二点出てました。解釈はいかようにもできますが、どーも好きにはなれません。切腹少女は嫌いではないんですが。『モコモコ』は迫力があって好きです。そして面白いと思ったのは『日本語』です。巻物に筆で文章が書いてあります。巻物も高級紙を使い、字は書道のできる人に草書で書いてもらってあります。これ何百年後に発見されたりすると、江戸時代なんかの巻物と、同じ文脈で語られたりしてしまうのでしょうか?内容はしょーもないことが、つらつらと書いてあります。今より、未来に対する面白さがある作品でしたね。

おまけというか、付録みたいな感じで、5階でムサビの生徒に作らせた作品が展示してありました。会田誠は、ムサビで非常勤講師をしているようで、自分の授業の生徒に5階の部屋で、作品を作らせてようです。これが、基本ダンボールで、石彫のような作品を作らせています。ゴシック建築の教会にある、キリストみたいな彫刻を、イメージしてもらうと分かると思います。それを、部屋中作ってあるんですが、これが、なかなか、うまくできていて、ちょっと感心しました。気になる人は、五階も見てみてください。

帰りは、中目黒で、一杯ひっかけるのがおすすめ。

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ダニ・カラヴァン展

世田谷美術館

2008-9-15

『ダニ・カラヴァン展』

15日は東京国立近代美術館の後、午後は世田谷に移動し、『ダニ・カラヴァン展』を見てきたわけです。ちょっと忙しい一日でした。

ダニ・カラヴァンについては、ほとんど知りませんでした。ですが、実は、この作家の作品は結構、日本にあるんですよね。どんな作家というと、今は環境彫刻の作家ということになるのでしょか?そもそも彼は画家からスタートし、舞台美術、壁画、レリーフなど様々なものを、経験してきて現在に至っています。それだけに、何の作家と一言で言うのは、難しい作家です。

ダニ・カラヴァンは、1930年にイスラエルのテル・アヴィヴ生まれました。そして、現在も、存命している作家です。若い頃は、絵画を製作したり、舞台美術を、手がけています。それらの作品も面白いですが、この人の作品と言えば、環境彫刻ではないかと思います。もしどれかを見るのであれば、是非環境彫刻を見て欲しいと思います。

環境彫刻と言うと、よく分からないかもしれませんが、要は、ある特定のエリアの、その環境そのものも素材として使いつつ、その場所を一つの彫刻として、作品にすることだと思ってもらえばいいです。もうちょっと、分かりやすくいうと、公園を創造してください。そこには、人工物のブランコや、滑り台があります。これを、彫刻と考えると、公園の敷地に展示されてることになるわけですが、そもそも、その敷地自体のレイアウトも含めて、総合的に製作されているというこで、公園そのものが彫刻と言う感じと説明したら分かるでしょうか。

具体的には、イサム・ノグチのモエレ沼公園がそれですね。ダニ・カラヴァンの作品でいうと、例えば、札幌芸術の森野外美術館の「隠された庭への道」作品がそうです。この作品は、広い木々に囲まれた、芝生の敷地に、作られたもので、金箔の門から始まり丘、日時計、七つの泉、円錐のテント、そしてそこから伸びる水路、その先に水門で終わります。しかし、実際には水門で終わりではなく、ここからが、森への入り口と言うことで、そこから、森に入り、奥に、円形に置かれた椅子に、座って、森と対峙、つまり、自然と対峙するという作品に、なっています。

もちろん、世田谷美術館では、実際に、それを展示することは、できないので、模型や写真、映像を見ることになります。それでも、充分に、楽しめるのですが、やはり本物が見たくなります。札幌芸術の森の作品は、是非見てみたい作品です。この他にも、霧島アートの森や、奈良の室生山上公園 芸術の森でも彼の作品を、見ることができます。

おそらく、実際に行くと、彼の作品全体を、見ることができないと思うので、今回、模型で全体を見るということも意味のある展示だと思いました。その模型で見ると、全体の造形がいかに調和のとれたものかが、よく分かりました。

もちろん、日本以外の場所には、もっと多くの彼の作品があります。フランスのセルジ=ポントワースには、「大都市軸」という、とてもスケールの大きな作品が、製作されています。予定では、2009年完成だそうですが、これも機会があれば、見てみたいですね。全部で12ある滞留エリアを一本の道で、直線的につないだ空間構成になっています。全長が、約3.2kmある、巨大な作品です。

また、イスラエルの、ニツィーナという、エジプトとの国境沿いの地域に、作られた「平和の道」と言う作品も、見てみたいと思いました。荒涼とし、建物などない広大な荒れ野に、石柱が30メートル間隔で、立てられているこの作品は、写真で見たのですが、静寂の中から湧き出る生命力を、感じることができるような作品だと思いました。何より、作品の持つパワーが凄いです。

スケールの大きな作家なので、世田谷美術館で、全てを見ることはできませんが、その一部を見るだけでも圧倒されるはずです。

久しぶりにパンチのある作家と出会った気がしました。

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現代美術への視点6 エモーショナル・ドローイング

東京国立近代美術館

2008-9-15

現代美術への視点6 『エモーショナル・ドローイング』

東京国立近代美術館に行ってきました。久しぶりですね、多分。企画展は『エモーショナル・ドローイング』と題した、現代美術の作家の作品を、展示してありました。そうですね、ハッキリ言っちゃうと、奈良さんで人集めたかったのかな、って感じでした。展示の意図が自分にはよく分からなかった。伝わらなかった。とにかく奈良美智を中心において、あとはアジアの作家を、周辺に置いたような展覧会でした。

個々の作品は、いいものもありました。展覧会としては、フォーカスがあまかったのではないでしょうか?映像の作品は、あまり好きではないのですが、辻直之の作品は、よかったです。二つあるのですが、『エンゼル』がとくに好きになりました。木炭ドローイングによるアニメーション。だからモノクロで朴訥な感じが逆に伝わりましたね。全体にゆっくりしてしてるんですよ。最近の映像ってパッパッパって切り替わる感じのものが多くて、見てるいるだけで疲れちゃうんですが、彼の作品はスローな感じでいいです。淡々と映像が展開していくんですが、いつのまにか最後まで見てしまいました。強烈なインパクトで、一瞬で人をひきつける力は、ないのですが、ジワジワと染み込んで来るような作品です。

あと、坂上チユキもよかった。ペイズリー柄みたな細密画を紙に鉛筆と水彩で書いてあります。これが恐ろしいくらいに細かい。だからとても綺麗なんです。さらにジッと見てると、それがタイトルと呼応していろいろなものに見えてくるんですよね。時に細胞の断面のようであったり、単なる装飾のようでもあり、見るたびに、新しい発見があるんですよね。一瞬、綺麗な柄、なんですが、しっかり来ると自分なりの世界が見えてくるですよ。なかなか面白かった。

他の作家も、いろいろ個性的な人が多かったですね。アジア出身の作家の作品は以外に、見ていないので、けっこう楽しむことはできました。アディティ・シンなんかは鳥を群れを、大きな紙に、とても小さく描いているんです。だから紙の、ほとんどが、余白なんですが、そのために、僅かに描かれたその鳥の存在感が強く出てるんですよね。描かないからこそ、絵が強く見えるという逆転の発想が面白かったですね。

企画展はそこそこでしたね。でも東京国立近代美術館のいいところは、常設と工芸館も見れてしまうところです。常設展はかなりのボリュームがあるので、何回行っても飽きないと思います。展示代えもしてるので、見てないものも見れると思いますよ。

そこで思わぬものに出会いました。夏に行った、碌山美術館の荻原守衛の作品です。「女」がありました。これ以前にも、ここで見たような気がします。その頃は、絵画に興味があったので、彫刻は流見だったので、記憶に残っていなかったんだと思います。荻原守衛は、日本の近代彫刻において重要な作家でした。「女」以外の作品も何点か展示してありました。おそらく他にも所蔵していることと思います。やはり、ロダンの影響ありますね。他の作品にも、それは見られました。

日本の近代美術を、収集しているのですが、日本の作家以外の作品も展示しあります。今回はクレーなんかの作品も展示してありました。日本の近代の作家の作品はほとんどコレクションしているので、有名人ばかりで、ある意味企画展より面白いんじゃないかと思います。草間さんの作品も一点出てました。あと写真もあります。今回、石内都と東松照明の作品がありました。かなり荻原守衛との出会いも含めてかなり楽しめたので、しばらくまめに来てみようと思います。

さて、今回は工芸館にも行きました。全く人がいませんでした。確か2年くらい前に行ったときもそうだったと思います。全く人気がないですね。展示してあるのは工芸品ですが、国宝クラスの上物があるし、作品自体は決して古臭いものばかりでなく、デザイン的にも斬新なものもあるし、ガラスの作品なんかは女の子が喜びそうなものがあると思うのですが・・・。色も凄い綺麗で可愛いですけどね。工芸ってのがよくないのかもしれません。クラフトとか名前変えると結構人が来たりするんですよね。まあいいです。貸切なんで、ゆっくり、じっくり見ることができました。魯山人などの焼き物をはじめ、漆、ガラス、塗り物、陶器、染物などの日本の工芸全般、しかも超一級品を見ることができます。

Rapan また館内の椅子が面白い。これも工芸館なのでこだわっていて、ただの椅子ではなくて、建築家なりデザイナーが製作した、名のあるもを実際に使用してあります。そこで、また面白いものを、見つけました。それらの椅子の一つに、『ラパン』があったのです。この椅子、実は安曇野ちひろ美術館の子供の遊戯場にもあったのです。この椅子はウサギをモチーフにしていて、背もたれが耳になっていて、よーくみるとウサギの顔になっていると言う、とても可愛い椅子です。日本の代表的な建築が中村好文の作品として有名な椅子です。基本的は子供用で大人が、座るのには、ちょっと小さいのですが、家にも一脚欲しいくらいです。シンプルでいて機能性もありつつ、とても可愛く完成度の高いデザインだと思います。見たことない人は一度ぜひ御覧ください。

そんなわけで、この美術館は、お金なくても結構楽しめますね。工芸館は、美術館から歩いて5分くらい北の丸公園の前を通って、千鳥ヶ淵の傍です。一つの美術館に、いくと二軒行けちゃう、みたいな感じですね。お得だと思います。しかも工芸館は、貸切状態なので、静かでいいです。のんびりできます。

絵画もいいけど、クラフトも面白いですよ。

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"Silence in the Light 光の静寂"

WAKO WRKS OF ART
http://www.wako-art.jp/

2008-9-15

"Silence in the Light 光の静寂"
Noritoshi Hirakawa, Hiroshi Sunairi & Arto Lindsay
平川典俊、砂入博史、アート・リンゼイ

三連休の最後は一日美術館めぐりをしてきました。東京国立近代美術館、世田谷美術館そしてギャラリーを二つNANZUKA UNDERGROUNDと最後にここに来ました。ここも平川典俊の展覧会です。

ここでは平川、以外に後二人の作家の作品も展示してありました。砂入博史はオブジェ系の作家の様です。2005年に広島市現代美術館で『像の夜』という展覧会をしています。広島出身の作家さんです。アート・リンゼイは初めて知りました。

さて平川ですが、今回、ここでは浜岡原子力発電所で知られる遠州灘を撮影したシリーズを発表しています。原発の建物を遠景から長時間露光で夜中に写した写真と妊婦の写真などを展示していまいた。露光を長くして撮影した作品なので、月が出ているのにもかかわらず、まるで夕方のような昼間のような微妙に明るさの中に原発の建物が浮かび上がっています。そしてそれと対比するような妊婦の姿。これはこの土地で唯一原発に反対する一家の写真だそうです。

原発に関する、平川の思いが分かるような作品。でも、ここに込められたいるのは、単純な原発批判や安っぽいヒューマニズムではない。原発に存在に対する人間、つまり我々の人間と原発のとの間のものを伝えてくる。そこには電力会社、政治、利権、現地の市民、そして原発の電気を使う現代人。様々なものと原発、そしてその間に広がる、多くの見られることのない事実へと思考を広げさせる。

思わず溜息を飲み込んでしまいました。

新宿から、もしくは初台からアクセスできます。一人になって見るのがおすすめ。

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平川典俊個展 「正面玄関」

NANZUKA UNDERGROUND
http://nug.jp/

2008-9-15

平川典俊個展 「正面玄関」

渋谷にあるギャラリーです。まだ新しいギャラリーのようです。綺麗でしたね。スペースも広くていい感じです。渋谷の駅からも近いですね。246から一本入ったビルの地下にあります。

さて平川典俊です。公共の場で人に気がつかないようにセックスしている写真とか。レイプの映像とか。かなりエグイ作品が多い平川ですが、ここでの作品は、それほど強烈な作品ではありませんでした。しかし、内容的には他の平川の作品と同じ重さを持つ作品ではあると思います。

今回は日本現代の問題点をテーマにした作品。引きこもりという社会現象が起こる中、渋谷には多くの若者、特に女の子が溢れています。そこにある女の子の姿、そして人とのコミュニケ-ション、それは社会生活の基盤である家族のつながりへと視点を導いていく。親と娘、娘の見えない姿、そしてそれに対する親。そのような構図に問題提起をしているようです。

作品は路上の寝そべった女性、または男性を写真で移し、それを90度右に回転させた状態で展示してあります。見た目には寝そべった女性が立っているようにも見える展示です。見方を変えるということを、示しているのでしょう。若い女性のいくつかのショットはスカートをたくしあげ下着の中に手を入れています。これは女性の抑えている、あるいは見えない欲望の象徴なのでしょう。

並べられた同じ構図の写真の中に何も入っていないフレームがあります。一体その中には何が入るのかと考えてしまいます。あるいはその中に答えがはいるのかもしれません。

平川の見ているもの、そして作品にこめられたものは簡単のようでいて複雑です。初見で観客を拒絶するような難解さありません。しかし、ひとたびその中に入ると複雑な思いにつつまれてしまいます。

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横浜トリエンナーレ

2008-9-14

横浜トリエンナーレ

早速行ってきました。うーん若い人だったら楽しいのかな。学生の学園祭に毛が生えた感じでした。もちろん個々の作品は良い物もあったんですけど、全体としては、やらなくていいかも、と思ってしまいまいたね。少なくともトリエンナーレではなく、横浜学園祭とかのほうがいいかも。

背景が良く分からないので何ともいえませんが、全然盛り上がってないんですよね。横浜市はまるで感心がないみたいな感じで、トリエンナーレがやってるよみたいな活気は全くないし、だいたいすぐ近くに横浜市美術館もあるのに、全く連携とかしてないんですよね。トリエンナーレはトリエンナーレ、家は家みたいな。もっと横浜と言ういい町なんだから、様々なところを巻き込んで、街全体で盛り上げると全然違うものになるような気がするのですが、どうなんだろ。横浜の人はトリエンナーレを歓迎してないのでしょうかね。

入場料もちょっと高いですよね大人1800円一応二日間見ることができます。これは連続して二日でなくて、好きな日にもう一度来れるので二回分のチケットになっています。そう考えると安いような気もしますが、内容からすると高く思ってしまいます。

今回は七会場になっていますが、メインは新港ピア、日本郵便海岸通倉庫、横浜赤レンガ倉庫1号館の三つです。まあ時間がない方はここを見ればいいと思います。今回自分は新港ピアと日本郵便海岸通倉庫、運河パーク、そしてランドマークプラザしか見ることができませんでした。

新港ピアの会場とかはなんか映像が多くて暗い小部屋ばかりの展示で息がつまりそうでしたね。開催される前は期間中何度か行こうかな、なんて考えていましたが、多分後一回いくか行かない程度ですね。特に芸術に関係ある立場でないなら、わざわざ行く必要はないかも知れません。違うもの見に行ったほうがいいですね。

それでも気になった作品はいくつかあって、特に良かったの勅使河原三郎の作品『時間の破片』という作品。これはダンスぱパフォーマンスなんですが、舞台が凄い。幅3mくらいで奥行きが7mくらいあるのかな、長方形を縦においた感じの形になっています。で、床には一面ガラスの破片が敷き詰められいます。そして右と左の壁には一面、ガラスの破片が垂直に刺してあります。つまりその壁にはさまれて踊るわけです。舞台はガラスだらけで、それに照明があたると実に綺麗で、とても神秘的な空間ができていました。ダンサーが踊ると床のガラスが割れて音がなりそれが不思議な抑揚をあたえ、見る者を引き込んで行くんです。

しかし見るほうも、踊るほうも凄い緊張感でした。床はガラスの破片が敷き詰められているので、足場が悪いわけです。だから下手とするとバランスを崩して倒れる可能性もあるわけです。ところが、両脇に壁はせまっていて倒れと壁にぶつかります。そこにはガラスの破片が一面垂直に剣山のようにたっているのです。いやー怖いけど、美しい作品でした。

さてこのとなりにヘルマン・ニッチュと言う人の作品があるのですが、この作品は入り口でまずとめらえて、作品表現が過激であること云々の説明書きを読まされます。そのあたりを理解して入るように言われます。もちろん自分は入ったわけですが、嫌悪というか、こういうの展示していいの?って思ってしまいました。芸術と名がつけば何をやっても何を表現してもいいのでしょうか。ってなことを考えるようになったから意味があったじゃないですかと言われても、どーにも後味が悪いです。なんか現代アートの名のもとにこのようなものがどんどんエスカレートして行くのが怖い気がします。ダミアンハーストも確かに残酷な感じもしますが、あの辺りはまだ理解できるし、あの表現はありだと思うんですよ。見て気持ちいいか悪いかは別として、しかしヘルマン作品はどうにも受け入れられない気がしました。表現は自由だし作るのは彼の勝手です。しかし公共の場に出すべきではない気がします。

若い人にはこーいうのが受けるのかもしれないですが。

見て貧血起こす人絶対いると思いますね。

横浜トリエンナーレ、今回で終わるんじゃないでしょうか。意味の分からないイベントでした。

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Akasaka Art Flower 08

赤坂サカスを中心とした赤坂一帯(赤坂サカス、旧赤坂小学校、赤坂五通り商店街、赤坂日川神社、島崎”元料亭”、旧赤坂図書館、東京ミッドタウン)

2008-9-13

Akasaka Art Flower 08

凄く楽しめました。これ好きです。ちなみにキュレーターは窪田研二です。

何がよかったのか。それは赤坂のど真ん中なのにのんびり散歩できたことです。子供の頃の一日ってなんか楽しかったですよね。特に何をしたってわけでもないのに、学校行って帰りに寄り道して、そして日が暮れて家に帰るみたいな感じ、あの感覚が味わえました。もしかすると、若い人には大人しく感じるイベントかもしれませんね。

自分は赤坂サカスからスタートしました。会場は全部で7つメイン会場は赤坂サカス、旧赤坂小学校、島崎(料亭)の三つここでチケットが買えます。あとの四つはチケットがなくても見ることができます。赤坂五通り商店街、赤坂氷川神社、旧赤坂図書館、東京ミッドタウン。

赤坂サカスでは草間彌生の作品が見れますが、まあ草間さんはもういいかなって感じで、さっさと見て、旧赤坂小学校に向かいました。赤坂五通り商店街を通っていくのですが、通学気分ですね。途中に椿昇の作品は商店街から一本入った芝生の広場に展示してあり、ちょっと寄り道。さらにテクテク歩いて小学校。この小学校のたたずまいがいいです。そしてそこに入るとタイムスリップした感覚になるんですよね。何もかもが小さい作りの不思議な空間小学校。時間の経過の中で次第に生命をもったようになんだか息遣いが感じるような雰囲気がありました。ここで体育館で大きな展示がされているんですが、その体育館の入る手前の窓が開いていて、そこから見える葉っぱが人の顔に切り抜かれているんです。これ結構気がつかないじゃないかな。思わず微笑んでしまいました。どの作家が作ったのかな。

さて学校が終わって、次に行ったのは島崎、ここはかつて料亭だったところをそのまま使っています。赤坂なので結構な値段だったんでしょうね、多分。この島崎も建物そのものがいい空気を作っていましたね。一階で映像の展示があるんですけど、部屋が真っ暗じゃないんです。畳敷きの部屋で庭の出る縁側は開けっ放しで他の窓も開けっぱなし、それじゃ明るくて映像見にくいじゃんと思うでしょうが、映像は天井に付けられたスクリーンに写されています。天井は暗いので、それで見えるように展示してありました。また、畳敷きに座布団が置いてあって、とてもリラックスして見る事ができました。天上なので、畳に寝っころがって見てる人もいました(自分もそうしました)。

そこから氷川神社に行きました。神社で寄り道、そこでしばし遊ぶみたいな。実際にはオノ・ヨーコの作品が展示されています。そこから旧赤坂図書館に行き、ミッドタウンで再び草間作品を見て終わりというルートをたどりました。ルートは順番があるわけでないので、いろんな回り方ができると思いますが、一日散歩気分で楽しめました。

作品もなかなか、いいものがありました。気に入ったのは映像作品なんですが、トーチカと志村信裕の作品。トーチカの作品はライトを持った人がライトを動かすして絵を書くというもの。技術的によく分からないんだけど多分シャッタースピードを凄く遅くして撮影するとかそういう感じ。例えば走ってる人をシャッタースピード遅くしてとると絵が流れるでしょ。あんな感じで光で絵を書いています。不思議でユニークです。自分は見に行ったときはその映像に参加していた小学生が親と見にきていていました。

志村の作品は映像というよりその見せ方が気に入りました。畳の部屋に白い頭のついたマチ針を一面立ててあって、それをスクリーンにしているんです。マチ針の頭が白いプラスティックなので、スクリーンとして機能しているわけですが、マチ針を立てる作業が大変だっただろうと思ってしまう作品でした。かなりの本数ですよ。スタッフに手伝ってもらったのかもしれないですが、一人なら大変な作業。

作品数はそれほど多くないないですが、出ている作家もちょっと面白くて、温かみのある人が多く好感のもてるイベントでした。赤坂サカスに遊びに行くついでにブラブラしてみてください。おすすめ。

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所沢ビエンナーレ・プレ展「引込線」

西武鉄道旧所沢車両工場

2008-9-12

所沢ビエンナーレ・プレ展「引込線」

作品が悪いということでなく、それ以上に箱がよかった。西武鉄道旧所沢車両工場が凄くいい味を出しています。自分がアーティストなら、この建物を作品として出したいくらいですね。古い車両工場なんですが、天井が高く、長い時の中を過ごしてきたことが分かる、コンクリートの油のしみ、空気の中に漂う機械油の香り。まるで何百年も生きてきた巨木にあうような気持ちになりました。あるいは年をとった巨象。

作品は?悪くはなかったです。田和圭三の作品も二点出品されていました。今回は薄いエッジのとがった刃のような鉄でした。二つ出てたうちの一つは横から見ると山脈を連想しました。二つで一つの作品で、二つもとも鉄が真四角を形成しているのエッジの感じが異なっていました。

木村幸恵の作品も出てました。以前見たことがある作品でした。『私幽霊』って作品なんですが、恐らくいろんなところに出しているんでしょう。作品が劣化してすこしくすんできてるんですよね。最初見たときはビニールが新しくて、透明感があってよかったのですが、今回はビニールが汚れて透明感が無くなっていて素材の安っぽさが目だってしまって、なんかあまりいいとは思いませんでしたね。

今回気になったのは戸田成雄『ミニマルバロックIV 「双影景」』という作品です。二メートルくらいの高さで一片50cmくらいの四角柱の上部の彫刻が施されています。それが26本長方形のスペースに並べられています。まるで森のようでした。作品と作品の間を自由に通れるので中からも外からも作品を見ることができます。

彫刻の感じがプリミティブな感じでもあり、またはアール・ブリュット的でもあり、原始の森の中にいるような不思議な安堵感を感じました。とてもいい作品です。

今回の展示は所沢ビエンナーレのプレイベントとなっています。所沢ビエンナーレは来年開催と言うことで、何だか期待を持たせてくれるプレイベントだったと思います。来年是非足を運んでみるつもりです。

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『背文字が呼んでいる-編集装丁家田村義也の仕事-』

武蔵野美術大学 美術資料図書館

2008-9-9

『背文字が呼んでいる-編集装丁家田村義也の仕事-』

武蔵野美術大学で開催中の展覧会です。無知な私です。田村義也という方を全く知りませんでした。今回初めて知りました。本の装丁家で岩波書店の編集者をしていたそうで、様々な名著を世に送り出したそうです。

展覧会は彼が装丁した本が基本的には本の形のまま展示されています。まずその数に圧倒されましたね。正確な数、今わからないのですが、ざっと500前後はあったと思います。展示は会場の中央の島のようなテーブルが作られていてその上に本が並べられていました。これらの本は手にとって見ることができます。なので中身を読むことも可能です。壁に展示された、文庫や雑誌は手にとって見ることはできませんでした。

どの装丁も迫力がありましたね。また、これだけの作品があると、ある種の価値が生まれてきますね。装丁は小説だけではなく、多岐にわたるジャンルを手がけていて、展示もジャンルにわけての構成になっていました。ジャンルごとの特徴もありますが、全般を通して無骨で味のあるデザインと言う印象を受けました。今の時代のデザインとは対極にあるような感じもしました。実際、素材を含めたデザインに関しては今の時代ではコストがかかりすぎて無理なものもあるでしょう。それだけに貴重な作品と言えると思います。

そうですね、本が生きてますね。温かみがあります。この本と比べると今の本は垢抜けて都会的、冷たい金属みたいな感じがしますね。毛筆と活字みたい違いみたいな感じでしょうか。それぞれ目に止まる点があったんですけど、全集の装丁が特に凄かったです。自分はその中でも『火山島』という全七巻の作品の装丁が気に入ました。凄い重量感があるんです。実際本なので重いことは重いのですが、そういった本が本来持つ重さでない重さがあるんです。それが七巻並ぶとさらに凄い。壁一面に描かれた絵画にも負けないくらいの圧倒的なものを感じました。

田村義也の作品とは関係ないのですが、ダンボールって凄いですね。実は展覧会の展示で使われていた什器はほとんどがダンボールで作られていました。会場中央のテーブルは1.5cmくらいある厚いダンボールでできていて、パッと見はダンボールと分からないくらいでした。普通板を使うと思うのですが、展示物が本と言う事であえて紙の素材の物を使ったのでしょうか?とても作品となじんでいました。またダンボールがダンボールに見えなかったのは、レイアウトのうまさもあったことだと思います。幾何学的に区切られた一枚一枚のパネルがとても綺麗にレイアウトされ、その上の並べてある本の並べ方、それ自体もデザインされていてとてもよかったです。素材も使い方ですね。加工も丁寧だったし、展示に興味があればそっちをメインに見に行ってもいいかもしれません。

予算がなかったからの工夫なのか、それともあえての選択なのかはわかりませんが、ちょっと面白い展示でしたね。

読書ができるので、本好きの人は時間があるとき行くのがいいかもしれません。椅子も用意されています。これもダンボールなんですよね。

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「魂の表面 -Spritual Surface-」

銀座松屋

2008‐9‐5

庭師たちの肖像 Vol.1
「魂の表面 -Spritual Surface-」
-さかぎしよしおう、多和圭三、真島直子、尹 煕倉- 現代日本を代表する四つの表現

日本デザインコッミッティー主催でキュレーターに新見隆さんを迎えて開催された企画展です。スペース的には本当にわずかですね。六畳かそれより一回り大きいくらいの広さです。松屋の七階のフロワーにある、他のショップの大きさより小さいくらいなので、知らないと気が付かないかもしれません。

でも一歩中に入ると凄いです。そうですね、まるでオアシスみたいでした。作品の数はスペースがないので全部で9つ。さかぎしさんの作品は手のひらサイズなので4つ、真島さんが1つ、多和さんも1つで尹さんが3つの9つだったと思います。作品、展示ともにクオリティーがとてもいいです。そーですね、入場料¥800円でも、損しませんね。それが無料で見れたわけですから満足度は高かったです。

Yoon 尹 煕倉さん以外は、今までにどこかで作品を見たことがあったのですが、尹 煕倉さんの作品は見たことがありませんでした。今回初めて本物を生で見ました。油絵が壁に掛かってるって思ったんですよ、瞬間的にでもそれは実は焼き物なんです。尹 煕倉さんの作品についての知識があったのに、一瞬そう思うくらい見事でした。重さがないです。焼き物だからキャンバスより遥かに重いわけです。なのに全然そう見えない。これ発想も凄いですが、作る技術も凄い。絶対見てください。こんな作品彼以外では見れません。面白いです。気に入りましたね。ちなみに写真は実際に展示してあったものではありません。参考です。でも写真では絶対分からないですね。これは生で見ないと意味がないです。機会があったら彼の作品を生で見てみてください。

他の三人もそれぞれ全く違う作品ですが、どれも相変わらずクオリティが高い。さかぎしさんの磁土の作品は確かに手のひらサイズながら、多和さんの鉄の塊の作品と負けないくらいの重みを感じさせる。大きな作品。真島さんの「地ごく楽」は精子と卵子のあふれ返る世界と自分は見つめたが、様々なに見える作品。多和さん、鉄が美しい。叩くだけでこんなに美しくなるんですかと言った感じで。死角はない展覧会。

それもそのはず、ベテランキュレーターの新見さんが選んだこの四人には、ベエネチアビエンナーレの日本館を、もし彼が担当することになるならば、必ず出展させてたい作家四人。言ってしまえば、今回の展覧はスペースこそ狭いが、まさに新見さんの思う日本館なのだそうです。

8日までなんで、時間ないですが、三重丸でおすすめ。現代アート嫌いな人も必ず満足します。

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ラリックに咲いたシーボルトの「和の花」

箱根ラリック美術館

2008-9-4

ラリックに咲いたシーボルトの「和の花」

ポーラ美術館の後、バスで移動して、ラリック美術館に行きました。ラリック美術館に行くのは、今回で二度目です。

この美術館は、ルネ・ラリックというアールヌーボーとアールデコの時代に活躍したフランス生まれのアーティストの作品を、展示しています。箱根と言う環境に、あることもあって、広い敷地に、きれいな庭を備えています。入り口を入って左手が、レストランとカフェになっています。ガラス張りのレストランは、明るく雰囲気がよく、高級感があります。さらに、その建物の中には、なんと本物のオリエント急行の車両が、展示されています。ただし、外からは、見えない、状態になっています。何故、オリエント急行があるかと言うと、当時の、オリエント急行の内装を、ラリックがデザインしていて、その本物を、持ってきたというわけです。

これを見るためには、2100円を払って、お茶とデザートを食べる必要があります。この車両の中で、お茶を飲む人だけが、見れるようになっています。今回は学芸員に学校の先輩がいたため、お客様の入れ替えのときに一瞬入れてもらって見せてもらえました。中はラリックがデザインしたガラスレリーフで装飾されているのですが、実に豪華でした。今ではこんな車両はもう作れないのではないでしょうか?ちょっと高いのですが、アフタヌーンティーがてら入ってみるのも悪くないと思います。

さて、展示棟は入り口を抜けて、敷地の奥に歩いていくとあります。そこに行く前のガラス張りの大きな箱の中に、二台の車が展示してあります。この車のボンネットの前についている飾も、ラリックの作品です。展示棟は二階建てで、それほど広いというわけでないですが、全部見るのに一時間くらいはかかると思います。一階、二階に常設展示、二階には企画展示室があり、今回は『ラリックに咲いたシーボルトの「和の花」』という企画展示が、行なわれていました。さらに二階には、ミュージアムショップがあります。

この他に、もう一つ建物があるのですが、ここはギフトショップになっていて、雑貨が売っています。ミュージアムショップより全然大きいのですが、ラリックとは特に関係ないようです。何故このようなものを一緒の敷地に作ったのかが、ちょっと理解できなかったです。というのも、このショップはいらない感じがしました。もし作るとしたら敷地を完全に分けて美術館と切り離し、独立したものに、すべきだったと思います。

ラリックは、アクセサリー、香水のビン、ガラス製品、家具などをデザインしているのですが、自分は『冬景色』という雪が積もったカラマツを、デザインしたブローチが特に気に入っています。前回は常設エリアに、展示してあったのですが、今回は、企画展示室の方に展示してありました。

アールヌーボーを代表する作家には、ガレなんかもいます、両方に共通する点と言えば、自然への観察眼が凄く、リアルに動植物をとても細かく表現して点があげられます。しかし、ラリックはガレよりも、繊細な印象を受けました。女性的と言ったらいいでしょうか。

『冬景色』は1900年の作品です。この作品も、とてもリアルにカラマツを造形しています。また、カラマツに積もった雪が、美しく表現されています。ペンダントの周囲の、松ぼっくりも細かいところまで、作りこまれています。仕事が、実に丁寧なんですよね。まだ、冬には早いのですが、9月に見ても、魅力を感じてしまいました。

さて、今回の展示に関して、面白い試みが、なされていました。企画展はシーボルトとラリックの接点を、取り上げたもでした。シーボルトは、ヨーロッパに日本の植物を持ち帰って栽培し、それを広めた人であるそうです。そこで、今回、植物にスポットをあて、ラリックの作品と、そのモチーフになった花に、関する展示構成になっているのですが、そこで、変わった工夫がしてありました。作品のモチーフになっている花の香りが、漂うように展示がしてありました。例えば、最初に展示してある『ユリの女』は、テッポウユリをモチーフにしてある作品なのですが、ここの展示ケースの周辺には、ユリの香りが漂っているのです。

仕掛けは、展示ケースにあります。ケースの下に穴があって、そこから香りを出しているのです。評判は、よく分からないのですが、香りを展示するという、アイディアが、面白いなと感じました。例えば、これを応用して、香水ビンなんかの展示の時には、そのビンに入っていた香水の香りを、再現して漂わせるなんてことも、可能ってわけです。

落ち着いた感じの、ちょっと高級な美術館です。東京から、ドライブがてら日帰りでいけます。時間があれば、ポーラも忘れずに寄りたいですね。

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『シャガール 私の物語』

ポーラ美術館

2008-9-4

『シャガール 私の物語』、常設展

ポーラ美術館とラリック美術館を見に箱根に行ってきました。最初にポーラ美術館を見学しました。ポーラは今回で二度目です。箱根の山の中にひっそりとある美術館です。規模はそこそこ大きいのですが、木々に囲まれて、静かに自然に溶け込んでいると言った印象です。

道路からエントランスに行く訳ですが、谷に建設されているので、エントランスが最上階になっていて、そこからチケットブースのあるフロアまでエスカレータで降ります。そこでチケットを購入し、さらに下のフロア-に降りると展示フロア-となります。展示はこのフロア-ともう一つしたのフロア-の2フロワーで5つの展示室があります。横から見ると谷にスポっと栓をしたような感じになっています。エントランスからチケットブースフロア、そして展示室1のある階までは吹き抜けになっていて、天井階がガラス張りで、外光を大きく取り入れているので、大変明るい空間になっています。そして一番したのフロワーの展示室2~5までは展示のみなので、一番は外光がなくてもいいわけです。しかしエントラスから一番下にくるまでの間が、明るく開放的になっているので、一番下に外光がないことが気にならないわけです。

また、自然と一体的になるように木々の中に埋もれるように高さを低く抑えてあるそうです。だからエントラスが一番上になっているわけです。円形状の建物は周囲と調和し、デザイン的にも好感が持てます。自分のお気に入りの美術館の一つです。

今回は企画展はシャガールでした。ロシア出身でパリを中心に世界で活躍した20世紀の画家です。エコール・ド・パリの作家の一人ですね。藤田嗣治と同時代に活躍しました。

今回の展覧会はポーラ美術館が所蔵している21点の油彩画と水彩画、そして10点の挿絵本を全て公開するものでした。面白かったのは『私と村』でした。この絵ってここにあったんだって不思議に思ってキャプションをみると再制作とのこと。原作は現在MOMAにあるものでした。そうなんですよ、どっかで見た記憶があったんですよね。

実はシャガールは再制作を良くおこなっていたようです。ポーラのものは原作が第一次世界大戦とロシア革命の間に手許からなくなってしまい、そのためシャガールが再制作をしたものだそうです。パッと見は原作との違いは分からないのですが、原作と見比べると、細かいところがかなり違っているのが分かります。同じモチーフをほとんど同じ状態で再制作したのは一体なんでだったんでしょうね。よっぽどこの作品が気に入っていたんでしょうか?興味深い作品でした。

さて、このあと常設展も見ました。西洋画は日本人に馴染みのある作家ばかりでしたね。印象派のモネやルノワールなどからピカソ、ルソーなどなど、藤田の作品もありました。凄いのは西洋画だけじゃなくて、日本の西洋画、近現代の日本画まで集めているんですよね。岡田三郎助の『あやめの女』が展示されていて、とても綺麗でした。肩からのぞく肌と、あやめの柄の青い着物、そして赤い帯びのコントラストが、日本女性の美しさをとてもよく表していると思いました。後ろ向きで顔が見えない構図もいいですね。

日本画では平山郁夫や東山魁夷の作品もあって、これなら箱根の山奥にあっても多くの観光客が来るのも分かるきがしました。

さらに化粧品会社ということでなのだと思いますが、化粧道具や、江戸や明治の風俗が分かる浮世絵なんかの展示室もありました。このあたりのコレクションは理解できますね。

そうですね、コレクションとしては幅広いですね。しかもほとんどがメジャーな作家ばかりなので、ある意味、それほど美術に詳しくない人が行っても、楽しめると思います。

個人的には好きな美術館です。正統派の美術館です。ゆっくり箱根で絵画鑑賞したいなら、おすすめです。

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安曇野ちひろ美術館

安曇野ちひろ美術館

2008-8/5~19

今年の夏は2週間、安曇野ちひろ美術館へインターンシップで行ってきました。

インターンシップつまり、社会体験と言うことで行ってきたので、学芸員研修とはかなり違います。簡単にいうと美術館で雑用係りをしてきたということです。言葉は悪いですが、まあそういう感じですね。

でも向こうのスタッフが気を使ってくれてかなり、学芸員的な研修も入れ込んでくれたので短期間でしたが充実した時間を過ごすことができました。

また、実際美術館の内部にいたので、様々な仕事の様子を直接見ることができたし、スタッフとも話しができたので、かなりの収穫はありました。とてもいい経験ができたと思っています。

安曇野ちひろ美術館のみなさん、本当にお世話になりました。

さてついでに、安曇野ちひろ美術館のレビューです。

冬は休業となってしまうのですが、夏は最高のロケーションと環境でした。美術館の本館と新館をつなぐ通路から見えるお花畑にはラベンダが一面咲いていてとても綺麗でした。

建物は安曇野ちひろ公園の中にあります。この公園は松川村の運営になっています。周囲に溶け込むように整備された公園はシンプルですが、子供が思い切り走りまわることができます。公園にはパツォウスカーのオブジェが展示されています。

その公園の中であまり存在を主張せず、おくゆかしい感じの飾り気ない建物が美術館になります。設計は内藤廣。三重県の海の博物館を設計した人です。そうですね、安藤忠夫と同じくらい有名な方ですね。

建物は飾り気のないシンプルな外観。中はウッディーな感じでとても、暖かく柔らかい感じの空間になっています。上を見上げると、屋根の形の天井が梁とともに丸くなっていて、まるで鯨のお腹にいるような感覚になります。建物はとてもいいです。落ち着きますね。

この美術館はちひろの息子である、松本猛さんの構想によって作られました。美術館のコンセプトしてはリゾート型の美術館を目指しているようです。ようするに”絵なんか見なくてもいいですよ、ここで一日のんびりしていってください”って云うようなコンセプトの基につくられています。それはかなり実現しているように感じました。

展示室は大きくわけると三つあって、一つはちひろの作品、もう一つはちひろの歴史を紹介する展示、三つ目は世界の絵本に関する展示室となっています。基本的に子供たちに主眼を置いているそうで、なので、絵のかけてある位置が通常の美術館より低めに設定されていて、120cmの高さにかけられえています。

思ったよりも作品が少ない気がしました。もう少しちひろの作品を増やしてもいいような気がします。

自分が好きだったのは三つの展示室の中の世界の絵本を展示してある部屋でした。モーリス・センダックとか村上康成の原画が好きでよく見に行きました。

女の人と子供が喜ぶ美術館ですね。でも男の人は寝ることができます。美術館の中庭などには、サマーベットがあるので、そこで男の人は寝ることができます。このあたりの気配りが家族をひきつけるのかもしれませんね。

公共の交通では行けないことはないですが、不便です。車で行くのがベストですね。天気のいい、秋の日なんかは最高のムードを味わえます。

とても綺麗なロケーションの美術館です。恋人といくのにおすすめですね。

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『わたしがえらんだ いわさきちひろ展』

宇都宮美術館

2008-8-30

『わたしがえらんだ いわさきちひろ展』

土曜日、大雨のなか車を飛ばして宇都宮まで行ってきました。

この夏、安曇野のちひろ美術館で二週間インターンを経験させていただきました。そのときチケットをもらったので、ちょっと遠かったのですが、宇都宮美術館も見てみたかったし、思い切って行ってしまいました。

東北自動車道があるので思ったほどは遠くなかった気がします。車で二時間ちょっとですかね。

さて美術館。かなりの好印象でした。広い”うつのみや文化の森”ってところの中にあります。群馬県立近代美術館なんかと似た立地。もっというと、セントラルパークにあるメトロポリタン美術館的な形式です。

この公園もなかなか広くて、自然が一杯で素敵でした。全体は広くて歩いていません。次回は、時間があれば歩きたいですね。ですから美術館周辺しか見ていません。そのせいもあって、美術館は雑木林に囲まれて、とても雰囲気がいいです。ただし、この結果、公共の交通からは、若干不便なようです。最寄の電車の駅からは、バスを使わないと来れません。駐車場は、かなりの台数が、止められるみたいなので、車が便利なようです。

建物は平屋で、二階はありません。これって結構、来館者には重要ですね。お年寄り、子供は、階段の上り下りが大変ですからね。あと低い建物なので、雑木林の中に馴染みますね。静かにたたずむといった感じ。建築もなかなかいいのと思います。

上から見るとY字のかたちになっています。その、それぞれ三つの建物に、展示室があるので、全部で三つの展示があります。Yの字の三つの建物のYの足の部分の建物が他の二つより大きく、ここにショップ、レストラン、受付があります。

外には、絵の具チューブを、モチーフにした大きなオブジェ作品もあります。平成9年に、オープンしたそうですが、まだ新しい感じのする綺麗な美術館でした。レストランも、ともて雰囲気があっていいです。ただし少し、敷居が高い感じなので、他に軽くお茶を飲めるカフェがあるといいのではないでしょうか。

その広さが気に入りました。無駄な空間が多くて、とても贅沢な作りになっているんです。無駄な空間のおけで、とても、ゆったりとした感じになるですよね。とくに、受付から伸びる廊下がいい。長方形でなく、奥に行くほど幅が広くなるんです。つまり、床が三角形になっている。これ、気に入りました。

展示空間とかは、大したことないんですけど、全体として、周囲の公園なども含めて、総合的に見るとかなりいいのではないでしょうか?

企画展に関しては、138点ちひろの原画展示さていて、その他にはちひろの年表や当時の写真、彼女の遺品などが展示してありました。ちひろの全体を網羅したオーソドックスな展示でした。ちひろの作品だけでみると作品数は、安曇野より多いかもしれません。

”ちひろ”というと水彩でにじにを使った淡い作品と言うイメージがありますが、70年代にパステルを使った作品を集中して描いたことがあったそうで、今回、自分はそのあたりの作品に眼が行きました。パステルで描くと、にじみを使った水彩と違って、輪郭や線がはっきり出てしまいます。しかし、ちひろは、パステルを指でこすったり工夫して、自分のスタイルを表現しようとしています。

「となりにきたこ」の中の原画で月を描いている作品があるのですが、月を直接描かず闇を描いて月を浮き出させているやり方は、なるほどと思ってしまいました。画材が違っても、自分の中のイメージは、同じなんだろうなと思いました。

ちひろの展覧会は二つの展示室を使い、あと一つの展示室は、第二回コレクション展と言うことで所蔵作品を展示してありました。いくつかコーナーに分けてあって、ネオ・アールヌーボーとして1970年代のポスターなどの展示でオリベっティ社の宣伝のために作られたものがいくつか展示してありましたが、それが、サイケでなかなか面白かったですね。

あと地平線に焦点を当てたコーナーがあってそこで、高橋由一の作品が展示してありました。「中州月夜の図」これいいんじゃないでしょうか?高橋由一というと「鮭図」とか「花魁」とかが有名ですが、この作品なんか心にグットきますよ。また技術も凄い。横長のキャンバスの中央が水平線で分断されていた上半分は空そして左端に月が明るく輝いているいます。画面は空も海も真っ黒。かすかに空であることや海であることが分かる。海には一双の舟があり、男たちが月の明かりのしたその舟をこいでいる。と言った作品でした。

ちひろ展だったせいもあると思いますが、家族連れが多かったですね。地方の人は都内の人よりも家族で美術館を楽しんでるような印象を受けます。

宇都宮美術館おすすめです。家族で、車に遊び道具を積み込んで行ったらどうでしょう?美術館のあとは、外で思い切り遊ぶってのがよさそう。

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