スタジオジブリ・レイアウト展
東京現代美術館
2008-9-27
スタジオジブリ・レイアウト展
凄い人でした。さすが宮崎駿ですね。激混みでしたよ。あんな、誰もいかない場所に作った美術館なのに、これほど人が訪れるのは、スタジオジブリ展だけじゃないでしょうか?去年もジブリ展やって今年もです。味しめたった感じですね。来年も夏休みはジブリやるのでしょうか?
なんかネガティブな感じで、話始めましたが、結論から言うと、見に行ってください。基本モノクロの鉛筆書きで、色があっても、色鉛筆で簡単に色をつけてある程度。でも、本当の映画よりも心にきましたね。『ラピュタ』や『もののけ姫』なんか、その世界に引き込まれるくらい絵が語りかけてくるんですよ。止まっている絵が動いてるんです。本当に生きてるんです。なーんて思ってしまいました。駄目なのかなー。感性が幼稚なのでしょうか?横浜トリエンナーレより100倍おすすめだと、自分は思います。
さて、もう少し細かく。展覧会としては、まあ意味は何もないですね。ただ宮崎さんの作品を並べただけですから。もっとも、それで充分なんでしょうけど。なので展覧会としては面白くはないですね。ただ、そこに展示されている作品はさすがでしたね。
今回テーマはレイアウトとして描かれたものを作品としてならべてあります。このレイアウトというのはその場面の設計図的なもにあたります。なので必要なことが全て書き込まれています。したがって文字で書き込みがかなりしてあったり、実際のセル画とは多少異なりがあったりします。アニメの細かい製作手順は知らなかったので、この辺りの解説は大変面白かった。
さてレイアウトは、ほぼ全部の宮崎作品から展示されています。「魔女の宅急便」は一枚しかなかったけど。ばらつきはあるものの、ナウシカからポニョまでのレイアウトを見ることができました。
レイアウトっていうと、下書きみたいなラフをイメージしていたんですが、実際にはほぼ完成していて色が塗っていない、と言った感じのもので、それだけで、もう充分完成してるんですよね。当たり前なんですが、絵が上手い!そしてとても細かいところまで書き込まれているんです。例えば道の両脇に生えている植物なんども、実際の植生を調べて、描かれているんですよ。何となくそれっぽく見える、みたいなレベルじゃなくて現実をちゃんと再現しているんです。なるほどと思いました。そこまでのこだわりが、高いクオリティーを生み出しているわけです。
今回1300点以上のレイアウト画が展示されているのですが、ゆっくり見ていると、3時間は楽にかかりますね。普通の絵画の展覧会だと、割と人が流れるんですが、ジブリの作品はほとんどの人が見てるので、どのレイアウト画見ても知ってるわけです。それでみんな、それをみながら思い出を話したり、あらためて自分の好きな場面を眺めたりするので、それだけでも時間がかかるのに、1300点以上の作品があるので、物凄く見るのに時間がかかります。その上激混み。ジブリ大儲けですね。勿論最後には特設のキャラクターショップが開設されています。
しかし、ながら丁寧にCGを使わないで手書きで書かれた、レイアウト画は、それだけでも質感が高く、そこに描かれていること全てに意味があり、それを読み解いていくことは、とても面白く、ある意味芸術作品と言えるんじゃないかと思います。映像では流れてしまう一瞬の場面ですが、レイアウト画として一枚の作品として見ると、違った意味を持つようにも思えるわけです。それだけに、一枚一枚見る時間がかかってしまうわけです。
自分が感動したのは、実は映画ではなく、テレビシリーズ、コナンとルパン三世。ルパンはカリオストロの城ではありません。テレビシリーズです。カリオストロの城のときはまだジブリがなかったと思います。でもジブリって枠じゃなくて、宮崎作品というこなら、ルパン三世 カリオストロの城が一番好きです。
アニメは日本の文化ですよね。アートについて難しいことを言う専門家に人に見てもらいたいですね。メイドインジャパンでこれだけ人を集めることができるのに、無視はないと思うな。所詮はアニメはサブカルなんですかね。
素直に楽しむのも、ありです。宮崎さんの優しい作品に触れたい人にはおすすめです。そして宮崎作品のベースにある深いメッセージを考えて見てください!
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