『未来におくる美しい自然 今森光彦写真展「里山」』
2008-8-27
『未来におくる美しい自然 今森光彦写真展「里山」』
ここ新しくなりましたね。受付や会場が綺麗になりました。広さや間取りなんかは以前とそう変わらないようです。
滋賀県にアトリエを構え、その地域の写真を撮ったものが今回展示されています。正確には琵琶湖周辺、湖西と呼ばれる地域の景色。もともとは昆虫の写真を主に撮っていたようです。
その地域に腰を下ろしてジックリ撮っただけあって四季の美しい写真から、初めて見るような珍しい写真まで、展示してありました。
風景写真というと鈴木理策を思い出しましたが、今森光彦の作品はそれとは少し趣が違います。鈴木は日本の風景の中から普遍的な日本の表象を表現しているのに対して、金森はもっと日常的な、イメージでの日本を表現しています。鈴木の作品は極めて精神世界に近い部分で表現しているのに対し、金森はもっと人間臭いレベルで表現をしているといってもいいかもしれません。
金森は琵琶湖、周辺に見ることができる棚田と自然の調和、それは人間と自然の調和のあるべき姿を私たちに見せています。生の自然でなく、人が手を入れてはいるが、自然のバランスを崩さず溶け込んでいる生活。そんなものがそこに見ることができます。
湖西に広がる棚田の風景、そこに育つ野性の植物や人々の生活、四季を通して様々な時を感じることができます。また、昆虫の写真をやっていただけあって、生き物の写真はとても、生き生きとユーモラスに表現されていて見ていて楽しいものになっています。
今回、気に入った作品は二点、まず「胞子を飛ばすツチフグリ」、実はツチフグリとはキノコなんですが、それが胞子を飛ばしている瞬間を写真におさめた作品です。まるでタバコの煙を口からふーと吐き出しているいるようなこの作品はキノコではなく人間のようでもあり、面白いと思いました。
もう一点は「光るヨシ原」、上には黒いといってもいいくらいの空と、下にはやはり真っ黒は湖水が広がり、写真中央に帯のようにヨシ原が広がっている作品です。解説によると雲のすき間から一瞬差し込んだ光がセピア色のヨシ原を照らしたとあるのですが、暗い画面にヨシ原が黄金のように輝いているんですよね。とても不思議で神秘的な写真でした。凄く綺麗でした。
東京駅から大丸で買い物ついでにちょこっと寄れます。時間もデパートなので七時くらいまであいてるので、都会の風景に見飽きたら行ってみたらいかがでしょうか。
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