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2008年7月

『2008イタリア・ボローニャ国際絵本原画展』

板橋区立美術館

2008‐7‐30

『イタリア・ボローニャ国際絵本原画展』

初めて板橋区立美術館に行くことができました。イタリアのボローニャ国際絵本原画展は毎年イタリアで行われる。世界最大規模の絵本原画のコンクールとして有名です。またここではどんなに無名の人でも応募することができ、もし審査員に認められば無名であっても入選できてしまいます。それだけに毎年大勢のイラストレーターが応募し、質の高い作品が入賞することでも有名です。

板橋区立美術館ではこの入選作を今回展示しています。

このコンクールでは入選作を掲載する、図録を発行しています。2008アニュアルとして、会場で販売しています。この表紙は国際アンデルセン賞とプラティスラヴァ世界絵本原画展の受賞者に依頼されるます。今年はドイツ人のアイール・トゥルコウスキィが担当しました。この作家の作品も特別展示として現地でも、そしてここ板橋でも展示されました。

この特別展の作家がやっぱり凄かったですね。比べたら可愛そうなんですが、アイール・トゥルコウスキィの作品最高です。基本的に鉛筆一本で書いていると言うのですが、とても信じられないくらい多彩な表現がされています。鉛筆一本なので全部モノクロの作品なんですが、カラーじゃなくても充分すぎる、いやカラーをこえちゃってるくらいの質が高い。そして細かい、まるで絵の職人と言えるくらい丁寧に描き込まれています。さすがドイツ人ですね。そして描かれているものの質感とか表面の感じとか、もう全てが素晴らしく丁寧に描かれている。これ製作に凄い時間がかかるそうです。納得です。

日本では「まっくら、奇妙にしずか」と言うタイトルで日本語版の彼の絵本が発売しているので興味があれば見て見てください。河出書房出版から出てます。

さて特別展の話はこれくらいで、入選作について少し感想を。今回は約100人の人が入選し、その作品がアニュアルでも美術館でも見れました。嬉しいことに日本人の作家の作品もかなり入選していました。作品もCGからコラージュー、水彩、油、パステル、写真など多彩でしたね。

子供向けというより少年以上大人向けと言った感じもするんですが、台湾の作家のセイ・ターユァンと言う作家の「A love story in the time」(ある時代のラブストーリー)と言うのが印象に残りました。アジアの古き懐かしい時代の風景の中に出てくる少年と少女、決して豊かでないけど、純粋さよ素朴がある。てな感じの世界観の絵本で、絵がとてもいいです。癒されるます。でもこれってアジア人にしか分からないかも。西洋の人分かるかな~。

それから、これも偶然なんだけど台湾の作家。ソウ・チョン シャンという作家の裂くいんんで「フィッシュ アンドチップス」ちょっとブラック?な不思議な世界観が面白い。街を歩いているのは服を着た魚たち、彼らは切符を買ってバスを待ちます。そのバスはケチャップバス。なんだか分かりませんね。でも何かマグリットのようなあるいはシュールレアリスムの作家の作品のような存在感があります。

あとは日本人の作家から気になった作品をあげるなら、平野はるひの「ちいさなおじさん」セピアカラーのトーンのエッチングの作品。西洋的な雰囲気の作品。おじさんがとってもユーモラス。、それからノンフィクション部門で「金魚」を描いた吉野百恵、これは自分が金魚が好きなので完全な自分の趣味。金魚がとてもリアルに美しく描けています。

美術館は駅から少し遠く、15分くらい歩くのですが、公園の中にあります。板橋区なんですが、ここ結構田舎っぽくて自然が多いです。

公園には池があってここで、かなり数のおじさんが釣りなんかしていて、市民の公園ってところがナイスでした。でも池が小さくて、ちょっと汚いかな。あと夕方は子供たちが四つ網でエビを取っていました。自分の子供の頃を思い出しました。今も昔も変わらないものってあるんですね。

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映画メモ『崖の上のポニョ』

2008‐7‐26

『崖の上のポニョ』六本木ヒルズ

宮崎駿の話題作を見てきました。これ結構いいですよ。自分はとても気に入りました。小さな世界の話なんですが、そこからやっぱり大きな世界に繋がっていて、例えばナウシカのようなの壮大なスケールはないのですが、それでもしっかり心を伝えてくれる。さすが宮崎アニメって感じでした。

宮崎さんは今回は子供向けに作ったとテレビのインタビューでいってましたが、大人も存分に楽しめるし、逆に子供のいる親に見てもらいたい気がします。主人公の宗介と母親、父親の関係を見て欲しい気がしました。

こういう時代だから、あえて普通の家族を中心においたのでしょうかね。何か深読みしたくなります。

人魚姫っぽい話なんですが、出来上がった作品は全く別物、『崖の上のポニョ』そのものでした。

あと絵がいいですよね。絵画みたいな背景が素晴らしい。CG全盛でリアルな表現が多いですが、不思議ですね。こっちのほうがリアルに見えましたね。人間の心象風景で見ているリアルな世界はこっちの絵のほうが近いのかもしれませんね。

人間の目はカメラじゃないから、そのものそのままに見えてるわけないんですね。

夏のおすすめです。是非家族で、あるいは恋人と見に行ってください!

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『世界報道写真展2008』

東京都写真美術館

2008-7-21

『世界報道写真展2008』

恵比寿に行ってきました。たまたま知り合いからチケットをもらったので、特に予備知識なく行ってきました。報道写真と言って思い浮かぶのはキャパです。とくに「崩れ落ちる兵士」は、いろんな意味で社会に問題を提示した、忘れることのできない作品の一つでしょう。

さてそんなわけで報道写真展です。活字で世界で起こってることを知識で知ってはいても、実際写真でみると印象は全然違って、正直しんどかったですね。

会場では長井健司さんの今までの仕事を30分にまとめた映画もみることができました。タイラク戦争、タイの子供のエイズ問題、パレスチナなど、どれも目をそむけたくなる映像でした。

彼の死で報道のあり方とか、そういったことばかりが世間では話のネタになっちゃうことが多いですが、長井健司が撮影してきてくれたものはとても意味のあるものばかりだと思います。

会場の様々な写真も、凄い存在感で迫ってくるものばかりでした。特に自分にはコンゴで死んだゴリラを現地の人が運んでいる写真が印象に残りました。人間と自然との関係の全てを物語っている瞬間がありました。

撮る方も命がけで、取られてる方は、そこで必死に生きている。そのたった一瞬を切り取るだけなんだけど、でもそのたった一枚の写真が何千字の活字や、レポーターの言葉なんかより、凄いオーラを放っている。これもある種のアートなのかもしれない。

日本の報道がどうだとか、取材のありかたがどうだってのは、もうどうでもいいじゃないですか、ここにある一枚の写真を見て考えませんか?純粋に写真を見てそして自分の頭で世界について考えてみませんか。

てな気持ちで、恵比寿を後にしまいした。

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『対決-巨匠たちの日本美術』

東京国立博物館

2008-7‐14

創刊記念『國華』120周年・朝日新聞130周年
特別展『対決-巨匠たちの日本美術』

さすがに、スパースターの目白押しでしたね。どこから見ても、どれを見ても圧倒されました。対決とあるように同時代、異なる時代のライバルや師弟関係などの構図での展示は単純でありながら、とても効果的でした。

仏師なら、運慶と快慶。禅画なら雪舟と雪村、陶工なら仁清と乾山など、日本美術の様々な分野の超一流の対決が目の前で広がってるのは見応え充分でした。

その中で今回は出会えたのは長谷川等伯『松林図屏風』です。吸い込まれました。凄い、凄すぎる。本当に眼前に松林が広がりました。ライバルは狩野永徳。狩野永徳の力任せの迫ってくる、あつかましいまでの迫力と全くの逆。とても同時代の作家と思えないくらい。自然に人を受け入れるような、そんな優しい作品。永徳が見る人に迫ってくる押しの芸術なら、等伯は見る人をどんどん引き込む、引きの芸術と言った感じ。

等伯は大人って感じですね。当時絶対的な立場だったのは永徳。永徳の立場なら等伯など気にしなくてよかったはず、逆に等伯が永徳を意識したと言うのなら分かる。でも永徳は等伯をかなり意識していたとのこと、この自分にはない等伯の魅力を永徳だからこそ、恐れたんでしょうね。永徳と等伯の二つの作品が並んでいると、永徳が「かかってこいや、おりゃ」って言っていて、でも等伯は涼しい顔して、「勝ち負けなんてどうでもいいじゃないですか」って軽く受け流して感じがしてならなかった。等伯と永徳は、秀吉と利休の構図のようでもありましたね。

さて、もう一つは隠れた巨匠の二人円空と木喰、この二人は運慶や快慶に比べれば技術的には自己流で、ある意味超一流の作家とは言い難い。でもこの二人の作品がとてもよかった。ぬくもりが今も感じれたんですよ。なんてあったかい作品なんだろうって、素直に好きになりました。決して他の作家のように洗練されていないのですが、でもハートがある。最高です。この展覧会の中で異色の二人ですが、他の作家と並べても引けを取らない魅力があります。是非見て下さい。

この他、、歌麿、写楽、鉄斉、大観などなど、まさにオールスターですね。そうそう応挙と芦雪の虎をモチーフにした作品は個人的にとても気に入りました。特に芦雪の虎はとても愛嬌がある。部屋に欲しいです。って狭い部屋には入らないけど・・・。

日本美術のオールスター戦、夏のお祭りってことで足を運んでみたらどうですか?おすすめです。

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『バウハウス・デッサウ展』

東京藝術大学大学美術館

2008-7-12

『バウハウス・デッサウ展』

20世紀初頭、ドイツにできた造形学校。グロピウスが創設して、マイスター(先生)にはクレーやカンディンスキー、オスカーシュレンマーなど、有名なアーティストが多い。もちろん卒業生からも優秀なデザイナーなどが生まれた。今もでもバウハウスがデザインした家具や小物などが販売されている。

思った以上にボリュームありましたね。あと人が凄い、なんでこんなに見に来てるのっていうくらい来ていて、それでうんざりしました。土曜日ってこともあったのでしょうが、とにかく身動きとれなくて、それで見るのに時間がかかりましたね。

マイスターごとに区切った展示は面白かったと思います。またオスカーシュレンマーの舞台の映像なども展示されていたのはとてもよかったと思います。

あと生徒が書いた授業のノートは、個人的にとても楽しめましたね。

図録がなかなか、カッコいいですね。片手で持てるサイズなんですよね。ペーパーパックみたいでいいかなと思いました。

とくに目玉はないけど、バウハウス好きな人、あらためてバウハウスを知りたい人は御覧あそばせ。

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『かつて描かれなかった陶器のためにvol.2―大町彩のセラミック・ドローイング展』+文学にあらわれた、食の風景33

ギャラリー 冊

2008-7-5

『かつて描かれなかった陶器のためにvol.2―大町彩のセラミック・ドローイング展』+文学にあらわれた、食の風景33

ギャラリー 冊で『大町彩展』を見てきました。まだ若手の作家さんです。セラミックと使った作品、簡単に言うと陶器のお皿を主に作っています。独特のデザインで展覧会タイトルのように描かれたような皿を作ります。それがミロの描いた抽象画のようでもあります。か彼女は描くだけでなく、皿やカップの表面に小さなパーツをくっつけます。それが凹凸となって作品の表面に表情をつけます。彼女の皿からは音楽が聞こえてくるようでした。

細かい話を、省き、俗っぽく云ってしまうと、大町のつくる陶器の作品は可愛く見るれば見るほど、愛着がわいてくるんですよね。

おそらく女の人にみせたらかなりの人が欲しがると思います。実際自分もマグカップと珈琲カップを買ってしまいました。

作家さんは作品のイメージそのままの可愛い人でした。

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『青春のロシア・アヴァンギャルド展』

渋谷Bunkamura

2008-7-5

『青春のロシア・アヴァンギャルド展』

ロシア・アヴァンギャルドとは1920年前後に起こった、ロシアの前衛的な芸術の動きをそう呼んでいる。実際のジャンルで言うと、「ダイヤのジャック」、「立体未来派」、「構成主義」「スプレマティズム」などがある。

展覧会ではピロスマニを一章まるまる取り上げて展示してたりする。ピロスマニも悪くはないけど、やっぱり、マレーヴィチじゃないかと思う。他の作家より一足早く前衛的な作品に取り組み、1920年代終わりには「原始主義」的な作品に回帰した、この作家にはやはり不思議な魅力があるように思う。

彼が生み出した「スプレマティズム(無対象絵画)」というスタイルはやはり、ロシア・アヴァンギャルドを語る上で外せないし、マレーヴィチと言う作家を特別なものにしていると思う。というこで、気に入った作品は『スプレマティズム』特に「白い十字架のあるスプレマティズムのコンポジション」が面白かった。白い背景に白い十字架を描く、コントラストだけで十字架を白い背景の中に浮かびあがらせている。、正に無対象主義と言った感じがします。

それと『農婦、スーパーナチュラリズム』も面白かった。農婦というより、ロボットみたいでしたね。あと色使いが面白かった。自分にはどうしても金属的な感じがしてしまう。迫力のある農婦ロボって感じ。

展覧会ではロシア・アヴァンギャルドの代表的な作家はほとんど紹介されていました。またほぼ年代順の構成になっているので、ロシア・アヴァンギャルドの流れを理解しやすい構成でした。

マレーヴィチ見て損はありません。

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『トーキョーワンダーウォール公募2008作品展』

東京現代美術館

2008-7-

『トーキョーワンダーウォール公募2008作品展』

『大岩オスカール展』のついでに見てきました。東京都が若手の作家にチャンスを与えるということで2000年より都庁の壁面で展覧会を開催しています。7年前より東京都現代美術館でも併せて展覧会を行なっています。

一般公募で選ばれた作家の作品が展示されていました。そうですね、様々なタイプのものがありましたね。

「花と武器」ってのを描いたましもゆきの作品が気になったかな。ペンで書かれた細密画のような日本画です。凄いシリアスな思いがこめられていて好感を持ちました。

それから、その作品はある意味全く反対の作品ですが吉岡正哉の『入学式』が笑えた。油で描いた作品で、コンビニの前で裸の男女がセックスしていて、それを小学一年の二人が見ているというもの。思わず笑ってしまいましたね。

20代の作家ばかりで、今一な作品もあることはあるのですが、これから伸びそうな作家も一杯いたので、そんな若いパワーを見るのもいいのでは?

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『屋上庭園』

東京現代美術館

2008-7-2

『屋上庭園』

タイトルにあるように庭をキーワードに作品を繋げて、展覧会構成してある。作家一人をとりあげて年代順に見せるという展覧会も必要だが、これだと展覧会自体には工夫があまりない。このようなキーワードから広げて展示を組み立てているものはそれはそれでワクワク感がある。屋上とついていのは美術館の三階で展示を行ったからだろうか?日が差し込むこのフロワーは屋上をイメージさせてるためのものなのか?

全部で庭というキーワードで10章を構成してある。棟方志功、マティス、河野通勢や、現代作家の須田悦弘の作品などなど、ジャンルや国籍に問わず作品が展示されていた。

今回の一点は映像の作品、映像の作品ってまずいいと思わないけど、これはとてもひきつけられましたね。”記憶の中の庭”とつけられた章で展示されていた作品。ブノワ・ブロワザと言う人の作品でタイトルは『Bonneville』これ凄くよかった。作品は平面に描かれた。白もついていいデッサンされ、単純化された街の風景をアニメーションにしてある。雪の降る街のアニメで、人なんか出てこないし、音なんかもないんだけど、シンとした雪の降る街の情景が恐ろしく伝わってくるんだよね。とても気に入りました。絵の感じは色のないディック・ブルーナって感じ。

不思議なアニメでした。ちょうアナログな映像ってところでしょうか?

オスカール大岩と一緒に御覧ください。

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『大岩オスカール:夢見る世界』

東京都現代美術館

2008-7-2

『大岩オスカール:夢見る世界』

大岩オスカールの作品をまとめて見たのは初めてでした。思った以上によかったのでちょっと感動してます。

大岩オスカールはブラジル生まれの日系人なんだけど、今はニューヨーク。ある意味何々人ってくくれないところが、とてもいい。

だからこそ、ものを見る眼がとてもニュートラルで素直だ。どこかに引っ張られることなく、客観的に見つめているところがいい。そして涼しげな顔して実は結構描きまくっているあたりは、見た目と違って体力勝負の体育会系だったりする。

印象に残ったのはシャドウキャットとライトラビットの出会い1、孤独とか孤立とかする現代の社会。でも希望はあるよって言うようなそんな彼の優しさを感じます。

そしてエイジアンドラゴンは彼らしい、素直な視線が気に入りましたね。

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