国立代々木競技場
2008-6-19
MOBILE ART
CHANEL CONTEMPORARY ART CONTAINER
BY ZAHA HADID
シャネルが展開している移動美術館に行ってきました。
世界6都市で開かれるシャネルによる現代アートの展覧会と言う事のようです。建物はザハ・ハディドが担当しています。近未来的な建築は見た目にも目だってました。
この展覧会は完全予約制になっています。行って見てその理由が分かりましたが、来場者は全員MP3プレーヤーのヘッドフォンガイドをつけさせられます。その為、来場者の制限が行われています。
ガイドに指示に従って館内を観覧する仕組みになっていて、基本的に自由行動ができません。まず中に入りプレーヤーを身につけ「ではお立ちください」、「まず左に進んでください」と言う指示で見学が始まります。最初はひし形のタイルが敷き詰められ、天井からひし形の透明な小さな物体が連なっている作品を見せられます。そこから次はすり鉢状のスクリーンに映し出された束芋の作品を見て、次に暗室に導かれます。そこには水たまりがあり、それに写る街の景色をみます。映像作品ですね。
そこを出ると二台の液晶モニタに写る二人の女性を見ます、この映像は分からないくらい少しずつ変化します。そのすぐ横にはダンボール箱が6つありその中にやはり映像作品が写されています。さらにその横には大きな画面にSEXをテーマにした映像作品が上映されています。
そこを回りこんで進むと、また二台の液晶モニタがあり、そこに鞄をモチーフとした映像作品があります。それを見終わると、次は写真の作品、これは人間の皮膚が鱗のように加工された三枚の写真が展示されています。
その先には二匹の豚と、豚皮で作られたシャネルの鞄が展示されています。テーマに皮があるようです。そのすぐ背後にコンテナがあり、その扉の隙間から中を覗きます。そこにはフランコのインスタレーションが展示され中のモニターではゲイ、もしくは女の人が下着をとりそのブランコに乗る映像があります。ブランコには張り方がついています。そこを見終わると、次の部屋に移ります。そこには小さな球体が集まったようなインスタレーションが天井へと登っています。
でそこを後にして、今度は細かい四角が描かれてモノクロチックなパネルを見ます。あと少しです。
その横にに大きなシャネルのバックが口を開いて展示され、その中に大きなファンデーションのコンパクトが開いた状態で置かれ、その粉の匂いがどこからします。そこにはモニタもあり、そこでシャネルの鞄を銃で撃つ映像が流れています。その左の部屋が最後で、入るとまず左にソフィ・カルのアーティスト募集と描かれたポスターが貼られています。ある種作品でもあるのですが、実際ソフィ・カルが本当に自分の代わりを募集したとのことです。その代役に選ばれたのは田尾創樹、おかめぷろです。彼の作品は表参道のシャネルの路面店で展示されています。道を歩いているシャネルの鞄を持つ女性から、中身ごとそれを購入し、それらを使ったインスタレーションがそちらのお店で見ることができます。さてソフィ・カルの作品の隣にはピンクに額縁に飾られた半ヌードの男の人の絵が三枚展示されています。三枚内一枚は男がウエディングドレスを着ています。で次はシャネルの鞄の製作工程の写真がランダムに並べらている作品があり、最後はオノ・ヨーコのウイッシュ・ツリーがおかれています。この作品には来場者が願いを書いた短冊をつるすことができます。
以上、自分のメモもかねているのでズラズラ内容を書きましたが、感想としては、自由に止まって鑑賞できないので、気になる作品があっても自分のペースでは見ることができないので、不自由さを感じました。ただ展示の方法としては、今まで体験したことのない展覧会なので、その点は評価してもいいように思えます。
オノ・ヨーコの作品は十和田現代美術館にも同じものがありました。また束芋の作品もモノクロでもので、自分が知っている束芋の作品とは、また違ったテイストだったような気がします。
約40分で指示に従って動いていかなればならないので、ジックリ作品を見るという感じではないですね。建物も含めて全体で一つの作品として見ろということなのかもしれません。MP3プレーヤーのガイドの声が未来を意識したものなかのか、独特の変なしゃべり方なので聞きづらい印象を持ちました。世界観としてはそのような声が合っているとは思いますが、なんか慌しく見せられたという感じあり、今ひとつ印象が薄いです。
できればもう一回見てみたいのですが、生憎チケットは完売。追加公演が出たみたいですが、取るのは大変かも。また当日並べばキャンセルで見られるので朝から並べば多分見れるとは思います。多分そこまではしないけど。
ということなので、興味がある方は並んで見てください。入場料はただです。
そのせいもあるのでしょうが、チケットを一人六枚まで取れるので、6枚とってオークションで転売してる人もかなりいるようです。だからキャンセルも結構あるみたいで、自分が行ったときはキャンセルの列は結構動いていました。なので思ったよりは待たずに見れるかもしれません。
田尾創樹の作品はシャネルの店にいけば誰でも見ることができます。
そうですね、いい悪いは別として、美術館の可能性を広げる展覧会ではあった気がします。
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